マンガで学ぶ“性”のこと。「嫌だな」と感じても断りづらいあなたへ
1980~1990年代に性教育を受けた現在30~40代の女性は、性に対して「恥ずかしい」「後ろめたい」という気持ちを拭いきれない傾向にあるそうです。だから、子どもへの性教育で戸惑ってしまったり、パートナーと性について話し合うのが苦手だったりと、困ってしまうことも。
『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』(KADOKAWA刊)は、そんな私たちに「性についてあらためて“学び直す”」機会を与えてくれる一冊。マンガイラストレーターのフクチマミさんとともに本書を著した村瀬幸浩(むらせ・ゆきひろ)先生は、半世紀にわたり性や性教育に携わり、子どもから大人まで幸せに生きていくための性教育を広めています。
前回は村瀬先生に、性教育を正しく学ぶことの意義やプライベートパーツの重要性について話を聞きました。今回は、自分の身を守るためのより具体的で大切な話を聞いていきましょう。(以下、コメントはすべて村瀬先生)
【前回の記事】⇒性教育のマンガが話題。体の“自分だけの大事なパーツ”4つをまず知ろう
本書で、子どもたちに「普段から繰り返し伝えておいてほしい」と紹介されている、「NO・GO・TELL」という言葉があります。これは自分の身を守るための、3つの行動の選択肢。
①【NO】ハッキリと拒否して(イヤ!! だめ!! やめろ!! 助けて!!)
②【GO】逃げること(できるだけ人の多いほうへ)
③【TELL】信頼できる大人に話すこと(もし「秘密だよ」と言われても)
(※「NO・GO・TELL」はNPO法人CAPセンター・JAPANのプログラムです)
もしも、プライベートパーツである口・胸・性器・お尻への接触をされたり、されそうになったら(もちろん他のどの部分であってもその人のプライバシーですから、同じように考えてください)。「怖い・不安・痛い・腹がたつ・悔しい気持ちになる」ような嫌なことや声がけをされたら。そんな時、頭が真っ白になってしまうこともあるでしょう。
だけど「嫌だ」という気持ちが生じたら、できるだけ、「NO・GO・TELL」を思い出してください。
自分に身の危険が迫っているときに生じる「嫌だ」という感覚を、決して無視しない、我慢しないこと。村瀬先生によると、これは子どもたちに伝えるのはもちろん、大人の女性にも今一度見直してほしい、とても大切なルールなのだそう。

村瀬幸浩先生(撮影:立川則人)