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マンガで学ぶ“性”のこと。「嫌だな」と感じても断りづらいあなたへ

2. ハグや手をつなぐだけでも、いい関係は保てる

「最高の愛情と親密性の表現が性交とは限りません。視線を交わす、言葉を交わす、やさしくふれあう、なでる、さする、手をつなぐ、寄り添う、ハグやキスも立派な性的ふれあい・セクシュアルプレジャーです。2人の親密さを示す性的ふれあいにおいて、インサートは最高でも唯一のものでもないのです。インサートばかりにこだわるのは、むしろ性の貧しさではないでしょうか。  いずれにせよ相手が、そしてお互いが、イヤイヤではなく笑顔でいられる関係のもとでこそ、男女(両者)ともに『自分は愛されている、受け入れられている』という承認欲求が充たされるものです」

「ありがとう」という言葉の持つ力

ありがとう カップル「性的なふれあいの際にも、『ありがとう』という言葉は効果的です。『親しき仲にも礼儀あり』は事実で、お互いに『してもらって当たり前』という態度になると、相手は気持ちが萎えてしまいます。感謝の気持ちを忘れずにいると互いに『また次も期待に応えよう』という気持ちになるものです。セクシュアル面のみならず、『ありがとう』は、関係を円滑にする大切な言葉です」  村瀬先生はさらに、「男性は一般的に“察する”のが苦手と言われているので、『できない、したくない』と率直に伝えることはとても大事。さらにそれを受け入れてくれたら『ありがとう』など感謝の言葉を添えると、男性は『自分のしたことが喜ばれた。それならまた期待にこたえよう』と、自己肯定感が高まり人としての自信にもつながります。これは男女逆の場合も同じですけどね」と言います。  今さら気持ちを言葉にするのは恥ずかしいという夫婦やカップルもいるかもしれませんが、村瀬先生によれば、思いを言葉にすることが性を含む関係改善の鍵。一度伝えてみるとその後は滑らかに口から出てくるようになると筆者も実感しているので、今日からでも実践してみては。 ―大人が学びなおす“性”のこと― <村瀬幸浩 取材・文/内埜さくら、女子SPA!編集部>
村瀬幸浩
東京教育大学(現筑波大)卒業後、私立和光高等学校保健体育科教諭として25年間勤務。この間総合学習として「人間と性」を担当。1989年同校退職後、約25年間一橋大学、津田塾大学等でセクソロジーを講義した。現在一般社団法人“人間と性”教育研究協議会会員、同会編集による『季刊セクシュアリティ』誌編集委員、日本思春期学会名誉会員。著書に『3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし』、『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』(ともにKADOKAWA刊)など多数。
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