また、ドラマのデートの定番としてよく使われるのが「高級なレストラン」。20歳前後の初デートのカップルでも、客単価1万円はしそうなレストランで食事をしていることが多くあります。 『レンアイ漫画家』（フジテレビ系）や1月期のドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』（日本テレビ系）でも、交際に至っていない男女の関係性にもかかわらず、高級レストランでシャンパンを酌み交わす登場人物たちの姿が描かれていました。 　そのシーンについて、ある制作会社に勤務する男性C氏はこう解説します。 「指揮するテレビマンの感覚がバブル時代から抜け切れてないっていうのもあるかもしれませんが、単純に、ロケのしやすさがありますね。控室や機材置き場などの場所も確保しなければいけないので、高級レストラン風の結婚式場は重宝しています。 　また、にぎやかな居酒屋などに比べ、客のエキストラを多く用意しなくてもいいのが利点です。ま、一番が『デートだと一目でわかりやすいから』なのでしょうが」 　確かに、居酒屋やダイニングレストランでのシーンよりも、高級レストランのシチュエーションの方が説明なくとも親密なデートであるということが一目で理解しやすいですね。 　お約束でテンプレ通りに見えるシーンの裏には、様々な理由があります。なかにはリアリティがなさ過ぎて気になってしまうものもありますが、言うまでもなく、ほとんどがスルーしても構わないもの。 「ありえない！」と画面の前で叫ぶより、ツッコミどころも含めて受け入れるくらいの方がドラマを楽しめるかもしれませんね。 ＜文／小政りょう＞