――漫画のなかでも描かれていますが、倉田さん自身も“だめんず・うぉ~か~”なんですよね。30歳で一度離婚も経験されていて。
そんな倉田さんが2009年に、「600人斬りのバツ3男」である映画プロデューサーの叶井俊太郎さんと再婚したときは、さすが!と思いましたね。「だめんずの最高峰と結婚」と話題になりましたが、その後の結婚生活はどうですか?


『だめんず・うぉ~か~』18巻より
倉田:今年で結婚12年目、うまくやってますよ。連載最後のほうで、夫が経営する会社が破産しちゃって、漫画のネタにしましたけど。
夫は結婚当時は本当にギラギラした男で、ドルガバを着てシルバーのアクセサリーしてたんですよね。ですけど、今は子育てばっかりしているからか、すっかりおばちゃんみたいな男になっちゃって(笑)。

――叶井さんって、映画業界や雑誌業界でも有名な、フェロモンむんむんだったのに……。もはや浮気の心配もない、“非だめんず”ってことですか。
倉田:いや、相変わらず生活費は少ししか入れないくせに金遣いは荒いので、世間一般からすれば“だめんず”かもしれない。でも、人それぞれパートナーに望むものは違うでしょ? 例えば、夫は私の誕生日に何にもしてくれないけど、私はそういうこと全然気にならないの。それが気になる女性にとっては最低でしょうけどね。
夫は家事も育児も完全に分担してくれるし、娘にとって最高の父親なので、私からすれば“だめんず”ではないんですよ。
――そこは結婚前から見抜いていましたか?
倉田:どうかな。でも、彼は独身時代からペットとかをすごく大事にする人で、その姿を見て安心してた面はありますね。猫っかわいがりするわけではないんだけど、エサとかトイレとか、すべて責任を持ってかいがいしくお世話をするんですよ。
――そういう面が子育てにも出ているんですね。
倉田:そうですね。学校の保護者会にも出席するし、学校からのお便りも夫が全部しっかりチェックしてくれるんです。だから私は本当にラク。学校からのお便りを必ずチェックする父親ってなかなかいないでしょ?
――確かに(笑)。『だめんず・うぉ~か~』は、「世間的にみてダメ男でも、私が惚れた男ならいいんだ」というメッセージもあった。それを体現してるわけですね。(後編に続く)
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虚言男と見る目のない女
<文/持丸千乃 撮影/山川修一>