ダメ男&ハマる女は今も変わらない。漫画「だめんず・うぉ~か~」倉田真由美さんに聞く
かつて『週刊SPA!』で、約13年間にわたり連載されていた恋愛エッセイ漫画「だめんず・うぉ~か~」(2000〜2013年)。ダメ男と、ダメ男にハマってしまう女性の姿がリアルに描かれたこの漫画は、ドラマ化もされる大ヒット作となり、「だめんず」という言葉をすっかり世間に定着させました。
そもそも、作者である漫画家・倉田真由美さん自身が、わざわざだめんずを選んじゃう性(さが)だったことから始まったこの漫画。今年ちょうど50歳になった倉田さんに、作品への思いや近況を聞きました。
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――「だめんず・うぉ~か~」が『週刊SPA!』で連載を開始してから21年、連載が終了してからももう8年経ちますが、いま読み返しても古さを感じないですね。ダメ男も、ダメ男ばかり渡り歩く女性も、相変わらずいますし。
倉田真由美さん(以下、倉田):恋愛って、時代が変わってもそんなに変わらないですからね。最近は若い子と話す機会が減ってしまったのでよくわからないけど、いまも“だめんず”に悩んでいる子はいっぱいいると思いますよ。
――「だめんず・うぉ~か~」で、多くの女性が「私の彼氏ってだめんずかも」「あんたの彼氏、だめんずじゃない?」と話題にしやすくなった。それ以前は、彼氏や夫の浮気・借金・DVなどは、女性が密かに耐えるような事態でした。それを、「だめんずじゃん!」って、泣き笑いでネタにできるようになった功績は大きいと思います。
倉田:「私の彼氏もだめんずです」と公にしやすくなったのはありますよね、きっと。
――悩んでいるけど言いにくかったことが言えるようになるって、まさにMeToo運動じゃないですか(笑)。「だめんず・うぉ~か~」ってMeToo運動の走りだったのかも。
倉田:そうかもしれない(笑)。連載当初は、取材させてくれた女性たちに会員証を作ろうって話があったんですけど、途中から編集者も誰も会員証の話をしなくなるほど、取材希望者が後を絶ちませんでしたからね。なんにしても、だめんずのことをひとりで抱え込まずに話せた子がたくさんいたのはよかったと思います。
――時代が変わっても、だめんずは減らないものなんですかね。
倉田:どんな時代にも一定数いるものなんでしょうね。むしろ、マッチングアプリとかが普及していろんな人と簡単に繋がれるようになったぶん、だめんずと出会う確率は高くなっているかも。出会う母数が増えれば、だめんずに遭遇してしまう可能性もおのずと高くなりますからね。
――『だめんず・うぉ~か~』連載時とは出会い方が変わり、そういう面でリスクが高くなっていると。
倉田:ただ、いまは昔よりネットやSNSでいろんな情報を得られるようになっているから、だめんずから脱せるチャンスも増えていますよね。DVやモラハラのニュースを見て「これって私の彼のことじゃない?」と気づいたり、彼氏のひどい所業をSNSに投稿したら、周りが「それって普通じゃないよ」と指摘してくれたり。
――SNS上で誰かがDVの相談窓口を教えてくれたり、なんなら慰謝料の請求方法なんかも教えてくれたりしそうですよね。
倉田:そうそう。昔よりだめんずと賢く手を切れる子が増えているんじゃないかな。
今も変わらない、ダメ男とハマる女
アプリで、だめんず遭遇確率は高くなったかも
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