颯太の相棒・花子役のちえは、とても大きな存在だった
――颯太の相棒である花子役のちえちゃんとの現場はいかがでしたか?
林「ちえは僕たちが頼り切ってしまうくらい、いろんなことができるワンちゃんなんです。撮影現場での経験も豊富で、ちえにとってすごく負担になっているだろうことも、こちらが気づけないくらい、毎日僕たちと変わらずにカメラの前に立ってくれる。だから一見元気そうに見えるのだけど、本当はすごい負担だったと思いますし、飼い主さんと離れたときに、一瞬そうした部分が垣間見られたときもありました。
でも今日のような取材もそうですが、当たり前のように僕の隣に座って、カメラの前に立ってくれる。こうしたことも、ちえじゃないとできないだろうなと思うと、
ちえが今回の映画に与えてくれた力は本当にすごくて。僕にとっても大きな存在でした」
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――大学の研究室から逃げたニコを、教授たちが連れ戻しに来た場面。颯太が抱きかかえているとき、連れ戻されまいと怯えているニコが、颯太に体を預けていますよね。

『犬部!』より
林「そう見えていたなら嬉しいです」
――すごいなと思ったんです。本当にニコが林さんに体を預けていて。ぜひ伺いたくて。
林「ああ、良かったです。
ニコのシーンは、最初に脚本を読んだときに、どうやって撮影するんだろうと一番思った箇所でした。ニコはミックというワンちゃんがやってくれたのですが、実際に保護された犬で、ニコに近い境遇を持った、まだまだ赤ちゃんと言えるような子どもでした。人に対する警戒心も強くて、僕が現れたらすぐに逃げて、隠れて出てこなくなっちゃうくらいだったんです」