さて、ここで改めて「korekara」のMVをこれまで紹介した映画作品の延長線上で眺めてみると、どうだろう。
赤の背景にシルエットが浮かび上がる横顔に、パッとライトが当たるコントラストなイントロ。そこから自在に背景色を変えながら画面のサイズ感に合わせてビートを刻む。
エモーションが高まるサビ寸前で、スポットライトが降り注ぐ部屋に走り出し、しなやかな動きでステップを踏んでいく。
うっとりするような滑らかな映像の連鎖は、やはりこれまでの出演作品で鍛え上げられた俳優としての表現性の成果物だろう。
「korekara」は、まさに岩田の真骨頂だ。岩田が見つめる“korekara”、それはおそらく彼自身まだ未知の領域かもしれない。そこへ踏み込んだことで岩田が眺める景色は、いったいどこまで広がっていくのだろうか。
「Be my guest」と名付けられたソロプロジェクトを通して、その景色にどんな色が配色されながら塗り替えられていくのか、筆者もまたひとりの観客(guest)として、岩田の今後の活動を見つめていきたいと思う。
<文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
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