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69歳のパリマダム、狭い屋根裏部屋ぐらしがステキ。中村江里子が憧れるマダムたち

屋根裏部屋で暮らす69歳のマダム

――屋根裏部屋で暮らすマダムですね。
屋根裏部屋で暮らす69歳のマダム

メインの魚料理やデザートをオーブンで調理する間に、床のコンロでオムレツ作り。

中村「ええ。何不自由ない家庭に生まれ育ち、かつてはキャリアウーマンとして世界を股にかけるお仕事をしていらしたナタリーさんは、オペラ大通りのアパルトマンに広々とした住居とオフィスをかまえていらしたのですが、15年ほど前に人生の転機が訪れて屋根裏部屋で暮らすことになった方です。  屋根裏部屋というのは日本の方には馴染みがないと思うのですが、建物の最上階にあって一つひとつのお部屋は狭く、トイレはフロアで共用だったりするお部屋です。ナタリーさんのお住まいもまさにそういう物件で、6平米のお部屋を二部屋借りて生活していらっしゃいます。ですから、正確にはキッチンやダイニングではなく、二部屋がお仕事部屋であり、寝室であり、料理をする場であり、食器を置いておく場所であり……という感じでしょうか」

知恵と工夫がつまったナタリーさんの食卓

――でも、逆に、限られたスペースだからこその工夫もありそう!
知恵と工夫がつまったナタリーさんの食卓

卵5個を使った、ハーブ入りふわふわオムレツが完成!

中村「じゃがいもや玉ねぎは風通しのいい窓辺に置いてあったり、小さい流しでの洗い物を減らすために、陶器のお皿の上には紙皿を置いて使う工夫をなさっていたり……。知恵と工夫を駆使しての暮らしぶりです。  ナタリーさんがおっしゃるには、『人生には無益なものの場所もある程度は必要だけれど、手放すことを覚えることもまた必要。よけいなものに惑わされなくなるから。たとえば、私にとって不可欠なのはネコ、音楽、料理、そして食事の幸せな時間を人と分かち合うこと』と。  吟味された食材を1台のオーブンと床に置いた1つの一口コンロで手際よく作ってくださった、心のこもった食卓は忘れられないものです。フランスの著名なシェフや文化人も、ナタリーさんのおもてなしを楽しみに、この部屋に足を運ぶことがあるそうです」
エレベーターはないので、部屋までは螺旋階段で最上階まで上る。

エレベーターはないので、部屋までは螺旋階段で最上階まで上る。

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ノルマンディの一軒家で暮らすマダム
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