――仕事をする上で大切にしていることは何でしょうか？ 川栄：人に迷惑や心配をかけたくないので、ちゃんとできる状態で毎回現場には行きたいなと思っています。セリフ覚えもそうなのですが、基本的なことをとても大切にして仕事をしています。人間的なところではあいさつ、お芝居の部分では基本的なことを持っていけば、みなさんがそこにプラスしてくれる。基本の自分をちゃんと持っていようと心がけています。 ――場数を踏むことも大事な一方、オフなどのバランスはどのように取っていますか？ 川栄：以前はまったく決めていなかったので、そうしたら毎日大変になって、仕事をするだけに……。楽しむというのではなく、仕事をするだけの感覚になってしまったことがありました。最近はガツガツ仕事をするだけではなく、ひとつひとつ丁寧に作り上げていければと思っているところです。 ――大変な時期はいつくらいでしたか？ 川栄：それこそ2～3年前までです。仕事も2、3本の間をぬうような仕方で、並行して映画やドラマをやっていたり、その状態がずっと当たり前でした。そうなると心も疲れてきてしまいましたね。でも、「若いから頑張らなきゃ！」と思ってやっていたのですが、20代後半になってからはひとつひとつ丁寧にやることも大事だなと思いました。 ――あこがれている人はいますか？ 川栄：俳優の光石研さんが好きです。一番年上なのにまわりの人を気遣ったり、いつも礼儀正しいんです。その姿勢を現場で見ていて、とても素敵だなと思ったので見習いたいなと毎回思っています。お芝居もそうなのですが、何よりも人間性がとても素敵な方なので、勉強させていだいています。 ――理想の俳優像についてはいかがでしょう？ 川栄：ずっと変わらずにどういう役でもできる、役の幅が広がっていくという状態にすごくあこがれますね。最近だと安達祐実さんがそうで、表情には幼少期の面影もすごくあるけど、いろいろなお芝居ができていて、とても素敵だなと思いました。変わらないことは難しいのですが、憧れます。