結婚相談所で幸恵さんがまずデートをしたのは、3歳年上の男性。1年ほど交際を続けましたが、相手の嫌な面ばかりが目につき、結婚に対して前向きにはなれず……。
「食べ方が汚いし、デート中も会話が弾まなかった。女性慣れしていないのか、エスコートも上手くなかったので、いつも頭の中で推しのキャラクターを思い浮かべ、あの人なら、もっとスマートにリードしてくれるだろうなって妄想していました」
それから半年ほど経ったある日、幸恵さんはデート中に指輪を渡され、驚愕します。
「交際期間が長くなっただけで交流は深まってないのに、よく渡せたなって思いました。聞けば、結婚相談所のスタッフさんと相談して渡すことにしたみたい。なので、担当の人にこういうことはやめてくださいって言いました」
結局、その男性とは別れ、再度パートナーを探すことにした幸恵さん。その後、プロフィールを見て納得できた1歳上の男性との交際をスタートさせました。
「でも、この人もしっくりこなくて。手を繋ごうと言われると嫌だなって思ったし、デートの前はいつも、ああ、行かなきゃいけないんだ……と憂鬱な気分になりました」
しかし、幸恵さんは彼との結婚を決意します。なぜなら、誰と付き合っても自分は恋愛感情が湧き上がってこないだろうと感じたから。

「だったら、どの人と付き合っても同じ。お互いに条件が納得できているこの人で妥協すればいいかなと。向こうだって、私で妥協しているんだろうなと思いましたしね」
こうして、2人は結婚。幸恵さんは実家を出て、アパートで新生活をスタートさせました。
「やっと実家から出られる、よかった、ちゃんとした大人になれてるって安心しました」