＜ジャニヲタ歴20年・みきーるのJ-ウォッチ＞ 　昭和の名曲に「憎みきれないろくでなし」というのがあります。歌ったのは“ジュリー”こと沢田研二さんです。 　女性が「あいつホントろくでなしで」とか、「しょうのないヤツで」とか言って男性を語るとき、大概それはホメ言葉ですが、なかでも最上級の称号が“憎みきれないろくでなし”。そして、この栄誉ある呼び名を戴く男のひとりに、かの赤西仁さんがいます。 　赤西さんは2014年2月にジャニーズ事務所を退きましたので、現ジャニではありません。しかしながら、もはやその奔放ぶりは歴代ジャニの中でもレジェンドの域に達しており、ロスタイム扱いでも触れておかずにはおれません。 「赤西仁とは何か？」と問われれば、「鋭い“かえし”のついた釣り針のようなひと」と答えましょう。 　もがけばもがくほど食い込む“かえし”は、女心をまさぐり、えぐります。「なんだコレ痛ぇな！ 抜きてぇな！」とか思っても、いつしかその痛みを愛でていたりする。 　ゆるくだらしなくみだらに開いた唇。その唇からもれる、ママに内緒で指をつっこんだ瓶詰のハチミツみたいに背徳の甘みをのせた声。潔癖な少女なら、拒否れるかもしれない。 　しかし彼は、大人の女性、とりわけ包容力あるマダムが多い豊かな海にその針を投げたのです。かくして、「夫は夫。でも、男に生まれたことを楽しんでるような仁が大好き！」な奥様がズルズルと釣り上げられました。 　その爆釣ぶり！ 　7月4日、自身の30回目の誕生日に新たなスタートを切った赤西さんですが、同日にオープンした公式サイトでは、開始10分も経たないうちにファンクラブの会員が1万5000を越えていました。 　同サイトではクレジットカードで会費やグッズの決済ができるので、これまたポチり慣れした大人には好都合。現状グッズの通販はなく、ファンクラブ入会も郵便振替で行うジャニーズシステムに一歩リードした形といえましょう。 　王子様っぽい衣装とかアイドルスマイルとか、ジャニにあってジャニらしさをヨシとできなかった彼。ソロライブでもサングラスをかけっぱだったり帽子を目深に被ったりとなかなかご尊顔を拝めませんでしたが、公式サイトの写真やグッズも真正面から笑顔パッシャー！みたいなビジュアルは無さげ。 　横顔だったりうつむいていたりロゴだけだったりと、みなぎる“仁らしさ”にはいっそ敬意を表したい。もしかしたら平安貴族のように「顔をモロ出しにするなど、無粋である」と思っておられるのかもしれません。 　なにをやらかしても、「まぁ、仁だしな」と許されてしまう赤西さん。よく、「結婚するなら二番目に好きな彼」と言いますが、彼こそは秘密の一番。優しい彼や夫をもちながら「心の一番いいところには仁を置いておく」なんていう女性は、意外と多そうです。 【赤西仁】1984年7月4日生まれの30歳。血液型はO型。元KAT-TUNのメンバー。2014年2月28日をもってジャニーズ事務所との契約を終え、独自の活動を開始した。8月6日にニューシングル『Good Time』を発売する。 JIN AKANISHI OFFICIAL SITE http://jinakanishi.com/ ＜TEXT／みきーる　ILLUSTRATION／二平瑞樹＞ 【みきーる】 編集者＆ライター。出版社勤務を経て、2000年に独立。ふだんは『週刊アスキー』などパソコン誌や女性誌、ウェブサイトで編集・執筆。著作に『ジャニヲタあるある』『ジャニヲタあるある フレッシュ』『ジャニヲタ談話室！』など（イラストはいずれも二平瑞樹）。ジャニヲタ歴は、約20年。KinKi Kidsの担当に始まり、現在はグループを問わず応援する“事務所担”。mixiコミュニティ“ジャニーズチケットお見合い処”管理人。Twitterアカウント:@mikiru