記憶に新しい出演作が、タクシーCMとして制作されたecforce「牛乳を注ぐ男」篇です。YouTubeに公開されたCM動画は、なんと189万回も再生されています。 　このCMでは、衣装こそフェルメールの《牛乳を注ぐ女》のパロディと凝っているものの、叫びながら穴の空いた甕（かめ）に牛乳を注ぎ続けるだけの展開。やはり構成はシンプルそのものなのに、二度と忘れられない印象的な仕上がりです。 　絶大なインパクトを短時間で与えられるのは、TikTokやYouTubeのショート動画との相性もバツグン。Z世代や小学生といった若年層からの厚い支持の秘訣も、ここにありそうです。 　本人の公式SNSも好調そのもので、Twitter約53万人、Instagram約75万人のフォロワーを抱える、トップ級のインフルエンサーです。筋トレ情報を丁寧に発信しているYouTubeはとくに好調で、チャンネル登録者数は200万人にも到達しようとしています。 　筋肉芸能人仲間である西川貴教も、きんに君のYouTubeチャンネルの古参ファンを公言。「どんどんクオリティーが上がっていくのと、内容もしっかりしてる」と絶賛するコンテンツは、一般の筋トレ愛好家からの評価も高いようです。 　高い好感度に起用のしやすさ、キャラ立ちなど、きんに君にはもはや隙がないようにさえ思われます。それでもつい心配になってしまうのは、この大ブームの反動。先輩・東野幸治は、吉本退社を引き留めたことを今となっては反省しているそうですが、「流行語大賞を取ると消える」ジンクスも、気になるところです。 　20年以上のロングランである「ヤー！」は、はたして打ち勝てるのでしょうか。「仕事が多すぎても筋肉が減ってしまう」のが、悩みとも語っているきんに君。マッスル「パワー！」で、2023年もきんに君らしく活躍してほしいですね。 ＜文／三島まろ＞