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発達障害の息子が、アスパラベーコン巻きで“フリーズ”した意外な理由とは?作者を取材<漫画>

太郎くんの周りに優しい人が集まる理由

――「やさしい世界」とタイトルにあるように、太郎くんの周りにはなぜ優しい人が集まってくるのだと思いますか? まゆん:どうしてでしょう(笑)。私も分からないんですが、太郎が悪口を言わないからかなと思います。学校の先生は「みんなから太郎ちゃん、太郎ちゃんと言われて愛されキャラですね」と言ってくださいます。誰かに怒りを表すことがほとんどなくて、私にも怒りません。私が叱っても響かなくて、キョトンとしています。だからこっちも「あれ?どうして怒ってるんだっけ」と馬鹿らしくなってくるんです。 ――太郎くんが上級生に差別的な言葉を投げかけられたエピソードがありましたが、その時も怒っていなかったのでしょうか。 まゆん:「あれってどういうこと?」と言っていたくらいでした。だから余計私は腹が立ちました。繰り返し何かされるようなら学校に伝えようと思ったのですが、それ以降は何もなかったし、本人が学校に行きたくないということもありませんでした。 ――差別や偏見について、太郎くんと話し合ったことはありますか? まゆん:太郎を不安にさせてしまうかもしれないと思うので、話したことはありません。通常級だから、特別支援学級だからという偏見が本人の中に全くなくて、フラットな世界に住んでいるんです。私がそこに差を作り出すような話をしてはいけないかなと思っています。もし差別されるようなことがあったら、その時に考えたいと思います。

「助けが必要、支え合うってみんなそうなんじゃないの」

――太郎くんに診断名を伝えられた時、自閉スペクトラム症について「周りの人達に助けてもらうことが必要」とお話しされていて、それに対する太郎くんの反応が素敵だと思いました。 まゆん:「助けが必要、支え合うってみんなそうなんじゃないの」と太郎に言われた時、「確かにそうだな」と我に返りました。本人がよく「助け合う、支え合う」という言葉を口にするんです。だけど「助け合いや支えてもらうことは当たり前のことではないんだよ。感謝の気持ちを持っていこう」ということも合わせて伝えるようにしています。 【前回記事】⇒なんて深いの!発達障害の息子・太郎くんの“素直なひとこと”が刺さる<漫画> 【まゆん】 看護師でありシングルマザー。 自閉スペクトラム症で特別支援級に在籍する息子の太郎くんとの日常や、心に残った出来事を漫画にして配信している。「ウォーカープラス」「LITALICO発達ナビ」などで不定期で漫画を発表。著書に『自閉スペクトラム症の太郎とやさしい世界』(KADOKAWA)。Twitter:@mayun4311、Instagram:@mayun4311 <取材・文/都田ミツコ 漫画/まゆん>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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