屈強な肉体美とアクションが話題になった『MOZU』（ドラマおよび劇場版）と迷いましたが、西島の“苦悩する色気”に魅せられた『ダブルフェイス』（2012年・TBS×WOWWOW）を2位とします。 筆者は“悩める西島”と“飄々（ひょうひょう）とした西島”が大好物でして。2002年公開の香港映画『インファナル・アフェア』をモチーフとした本作。ヤクザの幹部として潜入捜査をする警察官と、エリート警察官の顔をしたヤクザのスパイを中心に、警察と犯罪組織が繰り広げる攻防、ふたりの宿命を描いています。 西島が演じたのは、指定暴力団に6年間も潜入捜査をしている警察官・森屋純。強い正義感をもつ刑事の顔と、いかついヤクザの顔、長年の二重生活でヤクザとして振舞うことと、正体がバレて殺害されるかも知れない恐怖による苦痛に悩まされる顔。スリリングな物語の展開も含め、どの西島も渋くて痺れました。 そして1位は、もうダントツ！『ストロベリーナイト』姫川玲子シリーズ（2010年～フジテレビ系ドラマ／2013年・劇場版）です。ノンキャリアながら警視庁捜査一課のキレもの女刑事として、男社会の警察組織でのし上がっていく姫川玲子（竹内結子）の奮闘を描いた本作において、姫川を支える部下の刑事・菊田和男を西島が演じました。 後輩の面倒見もよく、刑事としても一流。なのに、上司の姫川には振り回されっぱなしの上、秘かに想いまで寄せているではありませんか。設定だけでもたまりません。刑事として被疑者を取り押さえ、姫川を守る姿はやっぱりかっこいい。一方で、サボってパチンコしたり、後輩をおちょくったりと可愛らしい一面も。 献身的に姫川を支え続けているのに、想いはなかなか届かず、劇場版では事件の容疑者（大沢たかお）に姫川の心を奪われてしまいます。その西島の姿が、何とも切なく、何より愛おしい！！！映像作品としての完成度も高く、何度も観返してしまう作品です。