モラハラ夫への復讐のつもりが…SNSに動画をさらしたら、自分に“特大ブーメラン”が
馬場ふみか演じる専業主婦が、モラハラ夫を社会的に抹殺しようと計画するドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』(テレビ東京系、火曜深夜0時30分~)。話題のドラマを、夫婦関係について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。
ドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』の第5話は、今の時代を忠実に映しており、ハッとさせられる内容だった。
夫の大輔(野村周平)に着々と復讐を進めていく妻の茜(馬場ふみか)。かつての夫のいじめ動画をアップしたことで、心酔していたYouTuberからフォローされて「正義を貫くこと」の快感に酔っていく。そして、夫にいじめられていた当事者から連絡があり、意気揚々と会いに行くと、彼は「誰にも迷惑をかけていないのに、息をひそめて生きてきたのに、あの動画で当時の気持ちを思い出す」とつらそうに語る。当事者の顔はさらされているので、彼は再び傷つけられていたのだ。動画を消してほしいと言われてその場で消すが、すでに拡散されており、デジタルタトゥーとして残ってしまう。
気づいたときには、茜自身の顔も夫の実名とともにネット上にさらされており、さらに心酔していたYouTuberが自宅から転落して死亡というニュースが世間をにぎわせる。
誰のための正義なのか、正義を訴える人の目的はどこにあるべきなのか。自分の傷を癒やすために人の傷をさらしていいのか。茜は正念場に立たされるようだ。
以前、ネットで夫の浮気をそれとなく示唆したことがあると話してくれたのは、ミユキさん(仮名・40歳)だ。ことが起こったのは10年近く前、ミユキさんが1年つきあった男性と結婚して1年ほどたったころだった。
「当時、私は仕事がとても忙しかったんです。つきあっているだけだとなかなか会えないから結婚しようということになった。結婚後も忙しかったけれど、以前よりは一緒にいる時間は増えたんです。それでも夫は寂しがっていた。そのうち夫の様子がおかしくなったんです。他に女性がいるような気はしていました」
そんなとき、学生時代の友人と会う機会があった。その中のマリさんが、ミユキさんと夫のことを妙に聞き出そうとしているのが気になった。帰宅してから別の友人が、「マリのSNSを見て」と連絡してきた。
マリさんのSNSを見て、ミユキさんはびっくりしたという。
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暴走する正義感はブーメランになるのか
