「実名は挙げていなかったけど、
自分がつきあっている人の妻は、もう愛情のない夫を束縛しているから、夫は離婚したいのにできないんだと。私と夫のイニシャルを使っていました。夫のSNSをチェックしたら、やけにマリがコメントをつけている。夫とマリは結婚式で1回会っただけのはずなのに……。
さらにマリのSNSをさかのぼって見たら、レストランの写真などで向かいに人の手がぼんやりと写っているものがあったんです。
夫は左の人差し指にほくろがあるんですが、それが写っていた。カッとなって夫を問い詰めたら、『3ヶ月前に偶然、マリと会った。誘惑されて一度のつもりだったのに、それから……』と泣き出して。夫は解決しようとしないので、私はマリに水面下で連絡をとろうとしました」

ところがマリさんは、ミユキさんのSNSに「
私が名前を挙げずに情けをかけてきたのに、自分の夫の浮気を私のせいにしようとしている人へ」などと書き込むようになった。
「思わず頭に来て、『人の夫を盗ろうとしている女が何を言ってるのよ』と書き込んでしまいました。
コイツが不倫女だ、とマリの写真も載せてしまった。さすがにこれは友人からやめたほうがいいと言われて消しましたが」
フォロワー数も決して多いとは言えないミユキさんとマリさんだったが、いつしか写真が一部で拡散され、おもしろがる野次馬もいたようだ。「妻と愛人が闘ってる」と書かれたこともある。ミユキさんはアカウントを削除、いっさい関わらないことにしたが、マリさんは夫の顔写真も数時間だけさらしたという。
「どうするのよと夫に迫ったら、『
こっちは会社で問題になってる。きみがマリに応戦するからだ』と言われて。そもそも不倫したのはあなたでしょと大ゲンカになりました。さらにマリは以前にも既婚男性とつきあっていたらしく、それも匿名の誰かが話題にしていたようです。なんだかあのころは怒濤(どとう)の日々で、どうやって過ごしていたのかよく覚えていないくらいです」
結局、いちばん割りを食ったのは夫だった。もちろん不倫していたのは夫なので、自業自得ではある。だが、夫の落ち込みぶりは見ていてつらくなるほどだった。
「
夫は会社を辞めて家にこもりました。精神的に落ち込んでいるのはよくわかった。でも私は私で傷ついていたから、夫を慰めることなんてできなかった」