Entertainment
Love

夫の浮気に気づいた妻が「やってはいけない聞き方」。冷静な態度でも逆効果に|ドラマ『夫婦が壊れるとき』

追い詰められた男は逃げるか逆ギレするしかない

 そしてついに、日差しが差し込む朝のリビングで、陽子は昂太に問いかける。 「女、いるよね」  一瞬にして、脳内コンピューターがとてつもない勢いで動き出したような昂太の表情。それをじっと見守りながら、陽子はじわじわと問い詰めていく。  結婚したときに、お互いに好きな人ができたら正直に言おうって言ったよね。こんなつらい目にあっても、正直に話してくれたら、あなたを許したいと思う自分がいる。一時の過ちだと認めてきちんと終わりにしてくれたら、私はあなたを許すと伝える。「嘘だけはやめて。嘘は裏切りだから」と。口をはさめないまま聞いている昂太の表情が、だんだん憮然(ぶぜん)としていくのが興味深い。  “完璧な妻”の陽子は、静かな口調ながら、夫をどんどん追いつめていっているのだ。それが男から正直さを奪うことになる。追い詰められた男は逃げるか逆ギレするかしかなくなるのだ。自分の意図や意志をはっきり伝える陽子は、同性から見ると好感度が高いが、夫側から見ると「こわっ」ということになりがちなのかもしれない。

身勝手だけど……妻に追いつめられた男の本音

「僕も妻に浮気の件で問い詰められたことがあります」 そう言うのはジュンイチさん(仮名・40歳)だ。 「うちの妻も直球でした。せめてカマをかけてくれる優しさがあれば、その時点でヤバいと危機意識が働くのに。週末、子どもたちとみんなで食事をして、子どもが寝静まったころにふたりでワインでも飲みながら映画を観ようかということになったんです。週末はわりとそういう時間をとることが多かった。  ワインをついだところで、突然、妻が『ミナコさんって知ってる?』と、僕がつきあっている女性の名前をぶつけてきた。グラスを倒しそうになりました。絶対にバレてないと思っていたのに」
ベッドルーム

写真はイメージです(以下同じ)

 ミナコさんは、高校時代の初恋の人。キスだけで別れ、その後も彼の心の中に密かに存在していたマドンナだったようだ。10数年ぶりの再会を果たしたときノリでホテルに行ってしまい、それ以来、既婚者同士のふたりは密かに関係を続けていた。 「ふたりとも既婚だし子どもは小さいし、家庭がうまくいってないわけではない。離婚するつもりはありませんでした。でもふたりとも当時の関係が不完全燃焼だったから、焼けぼっくいに火がついた状態になってしまった。“恋愛スイッチ”が入ったら止まらなくなった。気心が知れているし、妻には言えないことも彼女には言えた」
次のページ 
浮気した人を、行き止まりまで追いつめてはいけない
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ