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甘く見てはいけない「中年の物忘れ」の意外な予防法。原因は“脳の衰え”じゃないかも

 最近、妙に物忘れが多い、妙に他人の言動が気になってしまう……。でも、そんなに焦る必要はありません。なぜなら、それは脳にとって自然な現象だからです。 「60代以降の脳は、気付く能力が高いから、余計なことが気になってしまう」と指摘するのは、『夫のトリセツ』や『息子のトリセツ』などのベストセラーを持つ脳科学者の黒川伊保子先生。  60代以降の人が、自分の脳の仕組みと向き合いながら、最高の人生を送る4つの秘訣をご紹介していきます。 (本記事は『60歳のトリセツ』(黒川伊保子著)より抜粋・構成しています)

秘訣1:明日できることは、今日やるな!

肩を揉まれる女性

※写真はイメージです(以下同じ)

 60代は、若い人から見たら、とてもせっかちに見える。  なぜなら、男女ともにどんどん気づくし、それらが「気づいたら、やらずにはいられない」ほどの確信を伴っているし、「せっかく浮かんだ気づき」の記憶が消えたら怖いし……というわけで、気づいた端から行動に移さずにはいられないからだ。  脳は、自分の変化には気づかないので、本人には「うちの若い人たちは、気が利かない。なんでやらないんだろう。なんで、ぐずなんだろう」というふうに映るから、周囲への指図や愚痴が溢れることも多い。  昔から、「年寄りはせっかち」と言われているけど、なんと「脳が優秀すぎる」というからくりだったのだ。若いうちは、気づきの数が少ないから、「今日できることを明日に持ち越すな」でちょうどいいのである。  けれど、60過ぎたら、気づいたことをすべてやっていたら、一日が24時間じゃ足りなくなってくる。特に、家にいるスペシャリスト主婦は、気を付けたほうがいい。自分の気づいたことに溺れそうになって、「ふと浮かんだけど、消える」現象も増えてくる。 「明日できることを今日するな」― 60代の座右の銘にしよう。

秘訣2:未来の自分にメールする

携帯を触る女性「気づいたけど、今じゃなくていい」ことは、メモして、後回しにする。そうして、類似の事象をまとめてやったほうが効率もいい。ときにはやらなくていいことに気づくし、「ふと浮かんだけど、消える」現象もなくなってくる。なんと言っても、一緒に暮らす者たちにストレスを与えなくていい。  私は、「今じゃなくていいこと」に気づいたら、自分あてにメールすることにしている。仕事で携帯端末から見られるネット上のカレンダーを使っているので、そこに入れることもある。そして忘れる。  電子媒体だけじゃない。冷蔵庫には山ほど付箋が貼ってあるし、カレンダーも使う。
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