逆に、塾選びの際にやってはいけないこととして挙げられるのが、「費用だけを見る」こと。

「たとえば、月謝を比較して『安いから良心的』『高いから安心』などと判断するのは安直です。
そもそも塾によってコマ数や授業時間が違うし、季節講習や特別講座などオプションでかかる費用も違うので、月謝をコマ数×時間で割って1分当たりの金額を算出したり、通わせる予定の期間にトータルでかかる費用を算出したりしなければ、費用の比較にはなりません。定額制で通い放題の塾の場合は、費用の安い高いよりも、モチベーションを維持する仕組みがあるかどうかを調べることが重要。通わなければ意味がないですからね」
塾の費用は親にとって大きな問題。“値段”だけを見るのではなく、それに見合った授業内容やサポート体制があるかどうかをしっかり見極めましょう。
また、ブランド志向で塾を選ぶのも失敗のもとになりやすい。
「有名塾や設備がキレイな塾、“実績ナンバー1”などと謳う塾に惹かれる気持ちはわかりますが、同じ系列の塾でもエリアや在籍する先生によって中身は全然変わってきます。どんな環境でどんな先生がいるのかをしっかり見て、我が子に合うか判断しないといけません。親の虚栄心を満たすために選ぶと、その大事な部分を見落としがちになります」
それからもうひとつ、“個別”か“集団”か、先生が“正社員”か“アルバイト”かなどで選ぶのも要注意だとか。
「
よく『うちの子はおとなしいから個別が向いている』などと親が決めつけてしまうことがありますが、それは先生次第。クラスの雰囲気が落ち着いていて先生が丁寧にフォローしてくれるタイプなら集団でも合うかもしれないので、やはりちゃんと調べることが大事になります。
同じく、先生が正社員かアルバイトか気にする親御さんも多いですが、我が子に合うかどうかが第一なので、肩書で判断してしまうのはもったいない。実際、年齢の近いアルバイトの先生の授業のほうが、楽しくてモチベーションが上がると感じる子どももいますからね」