すでに子どもを塾に通わせている場合は、子どもの成績がいまいち伸びていないと、「この塾、うちの子に合っていないのかも」と不安になるかもしれません。でも、それは早計だと田口さんは言います。

「塾はたいてい、長いスパンで成績を伸ばすためのカリキュラムを組んでいます。その途中段階で成績が伸び悩むのはよくあることなので、
成績の伸びはあまり“合う合わない”の判断基準になりません。それよりも、『子どもが塾に行きたがらない』『嫌々通っているように見える』などのほうが問題。その塾が合っていない可能性が高く、通い続けても意味がないかもしれません」
そんなときは、まずは子どもからその理由をちゃんと聞くこと。
「先生がイヤ、友達がイヤ、他の習いごともありオーバーワーク気味……などの理由が見てくるはずなので、そのうえで塾の先生に正直に相談してみてください。
親身になってくれる先生なら、クラスやコースを変えるといったさまざまな提案をしてくれるでしょう。親身になってくれず改善方法が見えなかったら、セカンドオピニオンのように別の塾の学習相談に行ってみるのも手ですよ」
ちなみに、子どもを塾に通わせ始めるタイミングは、「成績が伸びていてやる気があるとき」がベストだそう。
「塾は成績が伸び悩み勉強に苦手意識が芽生え始めてから検討するものだと思われがちですが、それでは塾通いのモチベーションをキープするのが難しくなります。
塾に通わせる目的が“勉強の習慣をつけるため”なら、勉強に対してノッている時期を選ぶとスムーズに塾通いが定着します」
受験対策が目的の場合も、やはりできるだけ早い時期から通わせるのがベター。
「『今からでも間に合う』などと、受験学年の夏からの通塾を促す謳い文句をよく見かけますが、短期間で先生との信頼関係を築くのは難しく、その子に合ったカリキュラムを組んでじっくり伸ばしてもらうことができません。確実に志望校を狙いたいなら、せめて受験学年の春には通い始めたいところです」
【田口健吾さん】
学習塾口コミサイト「
ジュクサガス」運営代表。「しがらみだらけの塾ランキングや口コミでの点数評価をなくしたい」という思いから、塾の規模に左右されない唯一無二の塾ポータルサイトとして、塾業界の活性化に貢献できるよう日々活動している。Twitterアカウントは
@17work_kengot
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<取材・文/持丸千乃>