――『おかあさんといっしょファミリーコンサート』はどんな思いで取り組んできたのでしょうか？ 福尾：観客の皆さんも楽しんでくださっているのですが、僕らにとっても、本当に楽しい経験でした。みんなの声を聞きながら、一緒に一つの空間を楽しむことができるのが何より嬉しかったです。コンサートは僕にとって生きがいの一つでした。 ――コンサートでは、あん馬を使った演技やバク転などのパフォーマンスを披露していました。舞台では緊張感がありましたか？ 福尾：コンサートに備えてその分練習をしていますし、自分が得意なことを披露しているので、みんなに「かっこいい！」と言ってもらえるのが嬉しいという気持ちが強かったです。僕はヒーローに憧れていたので、子ども達にそう言ってもらえるのがめちゃくちゃ嬉しいんです。今思い出してニヤッとしちゃいました（笑）。 舞台で技を披露する難しさはもちろんあるのですが、みんながいるから僕は頑張れるし、僕が頑張るとみんなに楽しんでもらえる。みんなの声援のおかげで、僕の宙返りの高さは少しずつ上がっていきました。みんなと一つになってコンサートを作っていくことが、コンサートの意味なのかなと思います。 ――コンサートでは、開演前に観客席からの見え方を確認されていたそうですね。 福尾：同じ空間にいるとはいえ、舞台の目の前の席では汗まで見える可能性があるし、上の階の席なら小さくしか見えないかもしれません。それでもみんなに楽しかったと思って帰ってもらいたいので、「どんな席でも楽しんでもらうためには、どんな表現をしたらいいんだろう」と毎回考えていました。全国の色々な会場を回らせてもらっていたので、それぞれの席からどう見えているのか毎回きちんと確認してからステージに立つようにしていました。