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日本では何かと「若いほうが良い」という固定観念があります。
たとえば、政治家を見ても、同じような条件の候補者がいるならば「若いほうが柔軟な考えができて良い」「若い人のほうが熱心に働いてくれるはずだ」などと言って、持ち上げる傾向があります。
ただ、国の政治について、若い人のほうが国民の気持ちが分かるとは限りません。
実際のところ、若くして政治家になる人は、権力者によるバックアップが非常に大きいため、市民よりも権力者の言いなりになってしまうことが多々あります。
でも、大切なのは、人々の気持ちをくみ取って、政策に反映する力なのに、若い政治家に注目しがちです。これに対しても、日本の高齢者への根強い差別を感じざるを得ません。
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なお、アメリカは法律によって年齢差別が禁止されており、日本よりも高齢に対する差別意識が低いです。
事実、アメリカの大統領であるバイデン大統領が78歳(4年の任期なので82歳まで大統領を続けることが分かっているわけです)にして当選したことを考えると、日本とアメリカの感覚に大きな差があることが分かるでしょう。
雇用についても同様で、日本は「若い人を採用しよう」とする考えが根強いです。
たしかに若い人のほうが、フットワークが軽くて、覚えも早そうだし、その後も長く働く余地があると思われがちですが、それはあくまでイメージに過ぎません。
本来はその人の能力や中身で判断すべきなのに、年齢だけで精査して、スキルのある人を無視してしまう。
今後、少子高齢化で労働力不足が叫ばれる日本において、大きな課題だと私は感じます。
<和田秀樹 構成/女子SPA!編集部>
和田秀樹
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。ベストセラー『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『60歳からはやりたい放題』『90歳の幸福論』『60歳からはやりたい放題[実践編]』『医者という病』『60歳から女性はもっとやりたい放題』(扶桑社)など著書多数