筆者もこれまでこのコンビに熱心な眼差しを注ぎ、愛で続けてきた。もはや日本一の自負さえある。ただ今度ばかりはそう簡単に愛でるなんて表現をしてはいけない。それを禁じずにはいられないほどの迫力みたいなものがあるからだ。 　それは何か。洗練である。この特集号全体を通じて見せつけられたのは、溢れんばかりの“洗練の極致”だ。 　洗練をあえて言葉で説明するなら、ゴテゴテ着飾らずシンプルなこと。対談場面カットのØMIと岩田は浴衣一枚。旅館の一室でくつろぎ、この撮影の瞬間ばかりはお忍びの雰囲気だが、むしろその演出が芸能界の第一線で活躍する者が纏う余裕を際立たせている。 　事実、三代目JSBは、活動期間13年目を迎えた今まで、一度もメンバーチェンジすることなく、日本のダンス＆ボーカルグループを代表してきた。これは単純にすごいことである。 　インタビューでも本人たちの言葉として触れられている通り、彼らが所属するLDH内を見渡しても稀有な例だ。2010年に7人体制でデビューして以来、驚異的なセールスと数々のレコードで息の長い存在感を発揮してきた。 　なぜ彼らにだけそれが可能だったのか。今回の特集号は、ひとつの“回答”になっている。すくなくともØMIと岩田の発言の節々からそのヒントをキャッチすることが出来る。