『ドラマ対抗お宝アワード』では、2006年の芸能界デビュー当時の初々しい演技が紹介された。玉木宏と上野樹里がそれぞれ天才音大生を演じたドラマ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)だ。向井はモテモテなチェリスト役だった。
短髪で眼鏡。現在の向井が演じる役柄からは想像がつかないデビュー年らしい姿ではなかったか。
医大生がカンボジアに学校を建てる『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』(2011年)での映画初主演も忘れがたく、昔から向井自身から受ける印象とキャラクターがセットになって記憶されるように思う。
最近では、『着飾る恋には理由があって』(TBS、2021年)でのカリスマ社長役のジェントリーな佇まいや『先生のおとりよせ』(テレビ東京、2022年)のユニークな小説家役など、俳優としてのキャリア17年の味わいを感じさせる。そこへこの孔明役を畳み掛けてきた。
これまた長く記憶に残りそうな役柄だ。
<文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:
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