向井理(41歳)の“意外な前職”。新ドラマで見せた華麗な手さばきに納得
2023年の渋谷に中国の三国時代から諸葛亮孔明がやってきた!?
向井理演じる孔明が軍師となって歌手のデビューを助けようとする。そんなユニークな音楽ドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ)が、9月27日にスタートした。毎週水曜日よる10時に放送されている。
「イケメンと映画」をこよなく愛するコラムニスト・加賀谷健が、撮影現場の暑さの中、顔の表面温度で孔明を演じる向井理を解説する。
向井理から目が離せない……。中国の三国時代に活躍した名軍師・諸葛亮孔明を向井理が演じると聞いたときには、「えっ!?」とやや疑心暗鬼だった。流石の向井をもってしてもこれは演じきれないと一瞬思ったが、全然そんなことはなかった。
むしろこれは向井にしか演じられない。ジョン・ウー監督による大スペクタクル2部作『レッドクリフ』(2008~2009年)で金城武が演じた孔明はあまりにも華麗だったが、いや向井は金城の名演を軽々と超えてきた。
生まれ変わることを願ったとはいえ、孔明がいきなり現代の日本にタイムスリップするという無理ある設定や、途端に中国語から日本語へすんなり切り替わる違和感もすっ飛ばす。
なぜだろう、向井が演じる孔明には妙な説得力があり、同時に生々しくもある。
孔明がタイムスリップしたのはちょうどハロウィン。行きずりの若者たちに絡まれ、クラブのようなライブハウスへ連れて行かれる。結構な量の酒を飲まされ、ヘロヘロな孔明がそこで耳にする歌声。
歌手志望の月見英子(上白石萌歌)の歌に名軍師の直感がはたらく。孔明は英子を主として支えることに使命感を抱くものの、完全に変人扱いされ、まともに取り合ってもらえない。それでも懸命に英子を褒めたり、現代の道具の便利さにいちいち驚く孔明が何だか無性に暑苦しく感じるのはなぜか。
クラブという空間の空調の悪さか。息苦しくもある。いやそれは実際、ドラマ内の環境のせいではない。原因は、撮影現場そのものにある。向井が強いられる過酷な空間とは……?