しかし、交流がなかったこともあり、その夫に不倫の事実を伝えようとする人もいませんでした。
「『どうしようか?』って話も出たんですが、トラブルに巻き込まれるのは目に見えているので。彼女に逆恨みされても困りますし、私もほかのご近所さんも何もせずにそのまま放置していました」
そんな中、不倫をしていた女性が家を出て行ったという話がご近所中に広まります。
「これも情報元は隣家のママ友からの『浮気がバレたのか旦那さんが怒鳴る声が聞こえた』ってタレコミです。それ以降、誰も彼女の姿を見かけなくなったので、家を追い出されたんじゃないかって」

不倫妻の夫はその後もしばらく1人で住んでいましたが、3か月ほどで引っ越してしまいます。結局、夫婦はこの一軒家に1年も住んでいなかったのです。
「引っ越した後、売家という不動産屋さんの看板が出ていたので、賃貸ではなく購入物件だったはずです。その家は中古でしたが一応都内ですし、それなりの値段がしたのは間違いありません。夫婦がどうなったのかは知りませんが、あの状況では別れた可能性が高いでしょう。
家は買い手がついて今は別の家族が住んでいますが、住宅ローンと完全に相殺するのは難しかっただろうし、彼女や浮気相手が払う慰謝料も結構な額になったんじゃないかなって。引っ越し当初は奥さんが出勤する旦那さんを家の外まで見送って、仲睦(なかむつ)まじそうに見えたんですけどね」
仮に付き合いがまったくなかったとしても近所の人たちには常に見られていると思うべきでしょう。自宅に浮気相手を連れ込むのは間違ってもやめたほうがよさそうです。
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不倫デートの悲喜こもごも―
<文/トシタカマサ イラスト/やましたともこ>
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。