妹に何を言っていいのかわからず、黙ってみているしかなかった麻美さん。しかし、玄関のドアを開けてふいに麻美さんに振り返った妹は憎しみの形相を浮かべてこう言い放ちました。 「『お前が親の言うことばっか聞いてたから、私がこんなことになったんだ！全部おまえのせいだ！』って。すべて私が悪いということを怒鳴り散らして去っていきました。 　私からすれば自由奔放で人生を謳歌している妹に対し、どこかうらやましさを感じていたのでこれには驚きました。あの子はあの子なりに私に対してコンプレックスを感じていたんだなぁ、と……」 　あれから20年以上の時が経ち、麻美さんは結婚し夫と幸せに暮らしています。妹さんもなんとか更生して3児の母となり、育児に奮闘中。現在2人はふつうに良い姉妹関係を築いているそうです。 「今はお互いの性格や個性が違うことをちゃんとわかっているので、コンプレックスや嫉妬心を抱くことは全くありませんね。 　ただ、子供のころはあんなに私が細っこくて妹はコロコロしてたのに、今は私がかなりのぽっちゃりで妹は30代後半でもビキニを平気で着られるほどのスレンダー体形。ここは逆転しなくてもいいだろーって思っちゃいました（笑）」 　余談ですが、麻美さんは10代半ばで突然にポテトチップスの美味しさに目覚めてしまい、ポテチの食べすぎにより急激にぽっちゃりボディへ変貌を遂げたとか。妹は大人になったら自然に痩せたそうです。 ―私のコンプレックス― ＜文／もちづき千代子　イラスト／とあるアラ子＞ ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】