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自殺未遂をして“助かった”体験を自ら漫画化。作者が語る「死ぬのって怖い」の重み

精神病院に入院するメリットとは

――入院して良かったと思いますか? 有賀:私は入院して良かったなとすごく思いました。自分に合う薬を処方してもらうことが重要だと思うのですが、通院だと処方してもらった薬を試して合わなかったら次に病院に行くまで1週間くらいかかります。でも入院していると毎日症状がどうなっているかが分かるので薬の調整がしやすかったです。 私は一人暮らしをしていたので、精神的に辛いときは自分でご飯を買いに行ったり作ったりすることが難しくなりました。入院中は食事が出てくるという意味でも安心でした。 1ヶ月くらい入院しましたが、退院するときには希死念慮がかなり改善されて、頭がグラグラする状態がなくなりました。それまで精神薬は飲んだことがなかったのですが、「自分に合う薬ってあるんだな」と実感しました。 ――回復した状態で退院したあと、また気分が落ちてしまったのでしょうか。 有賀退院してからメンタルが落ち込む人は結構多いそうです。私の場合は入院中は良い意味でプライベートがないし、誰かと会話をする刺激や緊張感が常にありました。でも自宅に戻って一気に自堕落な生活になり、日中誰にも会わずに引きこもり気味になったことで気持ちが落ち込みました。そのあと自殺未遂をしてしまうことになりました。

外に連れ出してくれる友人がありがたかった

――自殺未遂をしてから、周りの人の接し方で嬉しかったことはありますか? 有賀:親しい友人は私に連絡しづらかったようで、逆にそこまで親しくなかった人が心配をしてくれたり「大丈夫?」と電話をくれたりしました。散歩に誘ってくれたり、仕事が休みの日に「ラーメン食べに行こうよ」と外食に一緒に行ってくれたのが、私はすごく嬉しかったです。 一人きりで精神的に病んでしまうと外に出られないので、連れ出してくれる友達が本当にありがたいなと思いました。
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死ぬことを考えている人、どうしたら気づいてあげられる?
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