Lifestyle

“推しの存在”はパートナーに言うべき?定年後夫婦の「幸せな距離の取り方」

 既婚者ならば一度は頭によぎるのが、定年後の夫婦の在り方について。  通勤がなくなり、家にいる時間が増えれば、いかに気が知れたパートナーであっても窮屈に感じてしまうのではないか……と不安に感じる人も多いのでは。  そんな夫婦の在り方について著書『60歳のトリセツ』の中で解説するのが、脳科学者の黒川伊保子さんです。
『60歳のトリセツ』

『60歳のトリセツ』

 黒川さんに、「60代以降も幸せな夫婦でいるための秘訣」を伺いました。

夫婦は、「離れる時間」を意識的に作って置こう

『60歳のトリセツ』

※画像はイメージです(以下同)

 仕事も子育てもひと段落した夫婦は、何かと一緒にいる時間が増えるもの。仮に仲の良かった夫婦であっても、共に過ごす時間が増え、不和が生まれることも少なくありません。  これに対して、脳科学者の黒川伊保子さんは、「60代以降のご夫婦は、意識的に『相手と共有しない時間』を作った方がいい」と指摘します。 「『夫婦は常に一緒にいるもの』という考えは、まず捨てた方がいいですね。  たとえば、専業主婦のご家庭で多いのが、夫が『妻は24時間家にいる存在』と思い込んでいるケース。妻が趣味や友人との会合で外に出かけるたびに、夫が文句を言うので、妻も息が詰まってしまいます。  でも、仮にパートナーがいても、24時間365日共有する必要はありません。 『毎週水曜日はお互い出かける』『毎月何日間は習い事のために家を空ける』など、お互いに自由な時間を持つ習慣を作っておきましょう」

定年後の夫には「役割」を見つけてもらおう

『60歳のトリセツ』 定年後、自由時間を謳歌できる人ならばよいのですが、目的を失い、急に無気力になってしまう人もいます。特に男性ほど、この傾向に陥りがち。  そこで、こうした事態への対策が「夫が家庭内での役割を見つけること」です。 「男性の脳は、目的達成型なので目的を設定しないと生きがいを感じられませんし、自分が責任を果たしている相手に情がわきやすいという傾向があります。  たとえば、男性は会社に対する愛着や忠誠心が高い方が多いのは、フルタイムで週5日8時間近く働いて会社に散々貢献してきたからこそ。  この仕組みは家庭でも同じです。毎日家族のためにゴミを出したり、家事をしたりと、何かしらの形で家族に貢献している人ほど、家族への愛着が強くなります。  だからこそ、定年退職後の夫にも、なんらかの責務が必要です。皿洗いでもゴミ出しでも買い物でもなんでもよいので、遠慮せず、夫に家の中での役割を担ってもらいましょう。  その際は、部分的に何かの作業を手伝ってもらうのではなく、完全な縦割りで『この仕事はこの人にすべてを任せる』というスタイルが望ましいです。  我が家でも、洗濯はすべて夫の仕事です。凝り性なので、いまでは家族の誰よりも完璧に洗濯物を仕上げてくれるようになりました」
次のページ 
感情を老化させないためには「○○」と思うことが大切
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ