さらに韓流スターの人気の背景には「ファンの二極化がある」と安部さんは語ります。 「韓流ファンの中にはCSやBSなどのテレビだけでしかドラマを見ない中高年以上のファンと、NetflixやAmazonプライムのなどの配信で見ている若いファンとに二分されます。 　テレビで見ている中高年以上のファンはもともとBSなどが設置されている環境でドラマを見ている層なので、配信でしか見られないドラマはほとんど知りません。 　私の知り合いの高齢者の韓流ファンはいまだに『愛の不時着』を見てませんしね（笑）。 　一方、コロナ禍以降にNetflixやAmazonプライムのなどに加入した若いファンは、逆に昔の作品は知らない人が多いです。これは、本国の韓国でも同じような状況になっていますね。 　最近は、テレビのリモコンを押すだけでNetflixが見られるようにもなっていますが、配信のドラマは内容が複雑だし、グロテスクな描写も多いので、中高年以上のファンに受け入れられない可能性もありますね」 　チャ・ウヌはテレビでのドラマでブレイクした俳優なので、支持層の年齢も比較的高めとのこと。 　それでは、配信のドラマからブレイクして注目集めているスターもいるのでしょうか。 「ソン・ガンですね。いまはNetflixの視聴者からすると、ナンバーワンのスター俳優はソン・ガンだと思うんですよ。チャ・ウヌとは対称的な人気ですね。 　彼は“Netflixの息子”といわれているように、Netflixのドラマによく出てるんですよ。逆に、それ以外で見れるドラマがほとんどない。最新作の『マイ・デーモン』もNetflix独占配信です。 　Netflix独占ではないドラマ『カノジョは嘘を愛しすぎてる』『悪魔がお前の名前を呼ぶ時』は、まだブレイクする前の初期の作品で、サブ役で出演していたんです。だから、ソン・ガンのファンは若い世代が大半。 　テレビでしかドラマを見ていない中高年の韓流ファンの中には、ソン・ガンなんて見たことないわっていう人がいるかもしれません（笑）」