県内エリート男子高で“性教育”の名の下セクハラにあった図書館司書46歳女性、教職員カーストで圧された声とは
専門性の高い仕事でありながら非正規雇用が多く、賃金も低いという報道を、昨今は頻繁に見聞きするようになり、なかには、その手取りがたった18万円、という記事もあった。
図書館員のうち8割は、女性だ。女性が多いから賃金が低く設定され、賃金が低いから男性のなり手がいない。悪循環が起きている。
「さらに学校図書館司書は、学校組織のなかでいちばん下に置かれます。図を見ると一目瞭然ですが、校長や教頭など管理職の下に教諭がいて、次は養護教諭、つまり保健室の先生……ここまでは“教諭”です。司書はさらにその下で、用務員さんと同じポジション。お給料にも歴然とした差があります」
図では横並びでも、用務員は男性が多いため、女性が多い図書館司書は実質、最も低い立場だとミユキさんは感じていた。
お話を聞いていると、ミユキさんの口から“居場所”という言葉が何度も出てくる。男子校に居場所がない生徒、「いないこと」にされ、その場から逃げ出しても居場所がなかった自分。男子校出身者が要職を占める県内で、居場所がないと感じている女性はきっと多い。
生まれた土地、育った土地に住みつづけていると、居場所は当然あるものと思われがちだ。しかしそこから弾き飛ばされる人がいて、だいたいは弱い立場の人たちだ。
「学校を辞めたあと、若年女性を支援するNPOの運営をお手伝いしました。いろんな世代の女性が集っておしゃべりをしてご飯を食べる、という活動に、女子大学生が通ってくれていたんです。彼女がある日ポロッと『経済的に苦しいから、1食でも無料で食べられるのはありがたい』とこぼしたんですね」