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ミスばかりで自分を責めていた私を救った“医師の言葉”。ADHDグレー当事者の作者を取材<漫画>

知らなかった自分を知る

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※イメージです(以下、同じ)

――心理検査を受けることについてはどう思いましたか? はなゆい:自分を動物に例えるような、よくある心理テストを受けるときみたいな気持ちでした。自分の知らない自分を知ることができるのが楽しみな一方で、「もしこれで問題何もなしと言われたら、物忘れや遅刻などは私の努力不足ということになるのでは?」という心配もありました。 ――心理テストを受けてみて良かったと思いますか? はなゆい:良かったです。知り合いに検査の話をしたら、ほぼ全員が「私も受けたい!」と言っていました。 自分の生まれ持った得意・不得意が分かったことが良かったですね。今までは「努力すればなんとかなる!」と思っていたので、やみくもに頑張っては失敗して自分を責めて落ち込むことを繰り返していました。 検査を受けたことでそれがなくなって、苦手なことは別の手段を考えたり、潔く諦めたりすることに心理的な抵抗が減りました。

失敗は、対処法を見つける最高の手がかり

――ADHDグレーという結果について、どんなふうに受け止めていったのでしょうか。 はなゆい:検査結果やお医者さんから聞いた説明は、私にとって発見がたくさんありました。でも、それだけでは理解しきれない部分もありました。 それに日常生活にどう反映していけばいいのかも分からなかったので、ADHDに関する書籍などをたくさん読んで、自分でできる対策について試行錯誤しました。また、そうするうちに「いつかADHDに関する情報を発信したいな」と思うようになり、出来事や情報をメモしたり、まとめたりするようにもなりました。 ――2話では心療内科での初診の様子が描かれますが、医師から誤字脱字対策として「読んでいる行の下を紙で隠す」という対策をアドバイスされ、文章が読みやすくなってはなゆいさんが衝撃を受ける場面がありましたね。ADHDグレーの診断を受けてからは、どうやって日常生活の困りごとの対処法を見つけていったのでしょうか? はなゆい:本で紹介している対処法は、基本的に自分で調べて考えたものです。まず、「やらかした」と感じたら、原因を考えて、同じ失敗をしないためにはどうしたらいいか考えます。以前は自分を責めたり、落ち込んだりすることが多く対策を考えられませんでした。でも心療内科にかかったお陰で、「これは特性のせいだ!」と思えるようになったので、冷静に対応できるようになりました。 「自分の失敗」は対処法を見つけるための一番の手がかりです。自分ではどうしたらいいか分からないことは、その都度メモをとって心療内科の先生にアドバイスをもらうようにしていました。
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「だらしない」「努力不足」ADHDの困りごとに対する偏見
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