宿題が解けない息子に「バカじゃん」と言い放つ夫。やめてほしいと注意すると…
近年、「発達障害」に関する情報が多く取り上げられるようになってきて、以前にくらべれば当事者やその家族が感じるつらさに理解が寄せられやすくなってきています。
佐藤綾子さん(仮名・38歳)の夫・拓郎さん(仮名・40歳)も発達障害。綾子さんは夫の特性を理解した上で結婚しましたが、息子が生まれたことを機に夫婦関係が上手くいかなくなってしまいました。
綾子さんが拓郎さんと出会ったのは、某大手マッチングアプリ。7年前、女子会の席で友達とアプリを見ながら盛り上がり、ノリで連絡をした相手が拓郎さんでした。
「アプリを開いたとき、たまたまオススメに出てきたんです。年収800万円ほどとまずまずの条件だし、顔もそんなに悪くないから、いいね押してみなよって友達に言われて、いいねくらいならいいかと思って」
拓郎さんから返信が来たのは、女子会後。友達との酒のツマミにならなかったなと残念に思いつつも、誠実さが感じられる文面に好感を持ち、綾子さんは連絡を取ることにしました。
「初めて会ったとき、この人ちょっと変わってるなと思いました。空気が読めないというか終始マイペースで、物言いがすごくストレート。嘘がない人なんだなと、私は好感を持ちました」
交際をスタートさせてからは拓郎さんのストレートな物言いに傷つき、喧嘩をしたことも何度かありましたが「俺、実は発達障害で相手の気持ちがよく分からない」とのカミングアウトを聞いてからは、特性なのだと受け入れるようになったそう。
「生まれ持ったものは彼のせいではないので、責めたくありませんでした。私が理解すればいいんだと思って、いろんな本を読み、上手く付き合うコツを勉強しました」
そうした努力のおかげもあってか、2人はめでたく結婚。結婚生活は比較的、上手くいっているように思えました。
しかし、子どもが生まれると夫婦仲に変化が。型にはまったルールが通用しない子育ては拓郎さんにとって理解できないことの連続だったようで、綾子さんにばかり負担がのしかかるようになったのです。
「例えば、子どもが泣いていても『この時間には○○をする』というルーティーンがなかなか崩せなくて。柔軟に対応してほしいけれど、空気が読めない夫にはそれが難しいことも分かるから、どうすればいいのだろうと悩むようになりました」
次第に夫婦仲は冷めていき、拓郎さんは育児から遠ざかるように。息子と関わるのは、何か悪いことをして叱るときだけでした。
「だから、息子はパパ嫌いの子になってしまいました。私が仕事に行かなければならなくて、家で夫と2人になる時には『ママ行かないで』と泣かれて心が痛かったです」
どこか空気が読めない年上男性とマッチング婚
「発達障害」のカミングアウトを受け入れて結婚

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