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男性にとっては恋心、でも女性にとっては…視点が変わると恐怖に。大反響のマンガが問う「理系大学」での男女間のヒビ

理系女ちゃんはこれまでにも、大学、大学院の理系学部や研究室における男女間、特に恋愛をめぐるコミュニケーションの齟齬(そご)をテーマに漫画を描き、Xに投稿してきた。そこには、理系の学生に特有の問題もあれば、どこででも起きうる問題もある。 『先輩はきれいな人だった』では作中でも、男性側の対人関係における経験不足が指摘されている。理系男性はよくコミュニケーション能力が低いといわれ、当事者が自虐的にネタにすることもある。 文系 理系――実際、コミュニケーションに問題はあると思われますか? また、理系の女性に同様の問題はないのでしょうか? 理系女ちゃん:コミュニケーション能力といってもいろいろあるかと思いますが、ここでは対人調和力に焦点を当てます。理系男性のコミュニケーション能力が低いと言われるのは、社会に出た後、単にそういった男性が目立ちやすいからだと思います。理系女子も対人コミュニケーション能力が低い傾向があると感じますが、そもそも母数が少ないため目立たないのでしょう。

圧倒的に少ない、理系の女子学生

――なぜそのような傾向になるのでしょう? 理系女ちゃん:原因として、「大学のカリキュラム」と「男女比率」が大きいと思います。理系にも対人コミュニケーション能力が高い学生はいますし、それこそ研究者になるうえでコミュニケーション能力はとても大事な能力のひとつです。しかし、理系の学生はカリキュラムが忙しくて部活やサークルに精を出せる人が割合として少ない、というのがひとつ挙げられるでしょう。 もうひとつの「男女比率」は、理系にはそもそも女子が少ないということです。 理系女ちゃん漫画――大学・大学院に在籍する女子学生は文系で約半数、それに対して医療系を除く理系は約20%と5人に1人というデータがありますね。もっとも低いのは工学部で16%だとか。 理系女ちゃん:そのため、もとから女子とコミュニケーションをとることが少なかった男子だと、大学生のあいだ女子と関わる機会がほぼないこともめずらしくありません。 コミュニケーション能力は環境によるものが大きいと思いますので、本人のみを責めるわけにもいかないのですが、実際にハラスメントが起きてしまうようなケースもあるので、トラブルになる前に周囲に誰か止める人がいてくれるといいなと思います。

コミュニケーションに“正解”がある?

――理系女ちゃんの作品に登場する男性を見ていると、「男性とはこうあらねば」という思い込みにとらわれているようにも見えます。「自分からデートに誘わなければ」「恋愛では男性が女性をリードするもの」というような。 理系女ちゃん:コミュニケーション能力は経験を積みながら養っていく要素が大きいものだと思いますが、対人経験が少ない人は、コミュニケーションの取り方に“正解”があると錯覚しているのではないか、と感じることはあります。たとえば「3回目のデートで必ず告白するべき」「どういうことを言うと女性が喜ぶ」など、ネットに落ちてるソースを鵜呑みにしたままのコミュニケーションをしてしまう、という意味です。 でも、それはまだいいほうで、「自分がうれしいことは、相手もうれしいはず」という仮定のもと、行動に移してしまう人もいます。
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先輩視点と後輩視点の違い(画像:理系女ちゃん@rikejo_chan『先輩は綺麗な人だった』)

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恋愛問題に見えるハラスメント
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