Lifestyle

息子の不登校に苦しむ母親が、支援者から受けた“まさかの仕打ち”…作者を取材<漫画>

“身近な人”にまずは頼ることが大切

――最上さんにとって、不登校のことを相談できる相手が見つかったのはどんなタイミングだったのでしょうか。 最上:発達検査の結果を伺ったときのクリニックに勧められて、カウンセリングを受けたんです。カウンセラーさんは、これまでの人と違って私のことを見てくれる感じがしました。「息子さんのことが心配なのはよくわかるけど、まずはお母さん自身が幸せになってほしいな」と言ってくれて、私自身を受け入れてもらえたと思えました。 そのあと、職業訓練を終えて働き始めた職場の同僚が良い人たちで、初めて不登校のことを話せたのも大きかったです。 私は人に頼ることがすごく苦手で、家庭のことは人に相談するべきじゃないと思っていました。今は、それは間違っていたと思うんです。私が相手を信頼する態度を取らなかったから、誰にも助けてもらえなかったのかもしれない。遠くの専門家よりも、身近な人に「実は困っているんだ」と心を開いて、信頼関係を築いて助け合うことが大事なんじゃないかと思うようになりました。 母親からネグレクトされていたという生い立ちのせいでそうなってしまったのですが、それを打ち破るのは自分自身の行動なのかなと思います。

気の合う仲間を、諦めないで探してほしい

――息子さんは小学校5年生から「学校に行きたい」と言って登校を再開したそうですが、なぜだったと思いますか? 最上:私自身が安定してきたことで、子どもも「お母さん大丈夫そうだな」と安心できたのかなと思います。不登校の期間を経てお互いに成長した部分があったり、長く学校をお休みして、だいぶ不安が消えてきたのかもしれません。家の中に安心感があるからこそ、「外に出たい」と思えるんだと思います。 大人も同じで、いつでも帰ってこれる場所があると思えるから人生を楽しんだり、失敗してもまた頑張ろうと思える気がします。 ――不登校に悩む親御さんに、伝えたいことはありますか? 最上:不登校に罪悪感を持たないでほしいです。不登校の子は多いですし、今は自助グループなどもたくさんあるので、悩んだらまず仲間とつながってほしいと思います。 私の場合はたまたま変な人に当たることが多かったですが、諦めないで探してほしい。絶対に合う人が見つかると思います。家族だけで解決しようとするより、人と悩みを分かち合うことが大事です。お母さんが潰れてしまったら子どもがさらに大変になってしまうので、お母さん自身が自分の気持ちを話せたり、共感できるような仲間を作ってほしいと思います。 【特集】⇒マンガ『親子で不登校になりました。』一覧へ <取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
1
2
3
4
5
6
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ