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息子の不登校に苦しむ母親が、支援者から受けた“まさかの仕打ち”…作者を取材<漫画>

「せめて話を聞いてほしかった」

――支援施設なのに、弱っている人を怒鳴りつけるような相談員がいるというのは驚きです……。 最上:「子どものために何とかしてあげたい」という熱い想いがある人なんだと思います。その想い自体は良いけれど、そのために親を敵視して「あなたが悪い」と責めることで解決しようとしている印象を受けてしまいました。 それでは悩んでいる親子は救われないと思います。私が責められて潰されてしまったら、子どものために何もしてあげられなくなってしまいます。甘やかしてほしいわけではないのですが、せめて私の話を聞いてほしかったと思いました。 ――その出来事で最上さんが精神的にさらにつらくなってしまったことで、息子さんの気持ちも不安定になっていったんですね。 最上:一番避けなくてはいけない状態になってしまいました。ちゃんとした資格を持っている人にあそこまで言われるなんて、「私って本当にダメな、やばい女なんだ」と思ってしまったんです。ストレスが溜まっていく一方で、ダメだとわかっているのに子どものイライラに対して言い返してしまったりしてしまっていました。

発達検査で分かった、親子の特性

医師による診察――支援施設で受けた発達検査を受けたところ、息子さんだけではなく最上さん自身も自閉スペクトラム症と診断を受けたそうですが、どのように受け止めましたか? 最上:なるほどな、と思いました。直接怒られていないのに先生を怖がったり、私には「極端だな」と思える部分が、特性からきているんだと納得できました。 自分自身に関しては、昔から人の顔色を伺うのが苦手なところがありました。コミュニケーションが得意ではなく、技術を身につけることでやってきたほうなんです。同じ自閉スペクトラム症でも、私は外交的で、息子は内向的で真逆です。「私ならこうするのに」と思たとしても、息子はそうしたくない。特性の違いがあるんだと思います。 ――診断結果を踏まえて、今気をつけていることはありますか? 最上:息子にアドバイスするのをやめました。彼のペースを守って、つまづいたときは選択肢を提示しますけど、本人に選んでもらうようにしています。 息子は私に気を遣うところがあるので、私の意見が影響しやすいんです。そのため、知らない間に彼をコントロールするみたいになってしまい、それが負担になっているのだと気づきました。だから今は絶対にしないようにしています。
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“身近な人”にまずは頼ることが大切
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