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「私は負の感情で決めつけない」松本穂香が“人生最期の完全犯罪”に号泣したワケ

 数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、孤高の老ヒットマンが「人生最期の完全犯罪」に挑むクライムムービー『殺し屋のプロット』について語ります。
松本穂香

松本穂香

嗚咽するほど号泣してしまうヒューマンドラマ

殺し屋のプロット

『殺し屋のプロット』より(以下、同)

 今回、わたしがご紹介させていただくのはマイケル・キートン主演の映画『殺し屋のプロット』です。  できれば前知識はゼロで観てほしいので、今回のあらすじはとりあえず「凄腕の殺し屋が主人公」とだけ伝えておきたいと思います。(前知識ゼロで観てほしい気持ちと、コラムを書きたい気持ちって矛盾していますね)  題名からして銃撃戦だらけのアクション映画かと思いきや、ラストは嗚咽するほど号泣してしまうヒューマンドラマでした。  目に見えるものだけが正しさではないのだと、会わなくても繋がり続けている愛はあるのだと、人を愛することの、ある種の正解とも言える生き方を見せてもらった気がします。

他人には推し量ることのできない当事者たちの想いや愛情

殺し屋のプロット 日々生きていると、凶悪犯罪などの惨たらしいニュースが目に入ってくるなかで、私はそれをそのまま負の感情で決めつけないことを心がけています。理由はシンプルに、その内情は関係した人にしかわからないことだから、です。  わからない私が、最低だとか凶悪だとか簡単にレッテルを貼り付けることが正しいことだとは思えないんです。特別なことのように書いてしまいましたが、こういう考えの方はきっと多いことかと思います。  私の場合、それを教えてくれたのは映画の存在でした。この作品はそんな、他人には推し量ることのできない当事者たちの想いや愛情を、善悪を超えて伝えてくれる映画でした。

表面だけをなぞらず、自分自身の目で見る

殺し屋のプロット この映画の主人公も、私も、ニュースで報道されている人も、同じ人間で、そうなり得た可能性があるということ。  SNSがよくない盛り上がり方をしがちな今の世の中ですが、何を大切にしたいのか、何を信じるのか。各々が表面だけをなぞらず、自分自身の目で見ることが、私たち自身を守ることにも繋がるんじゃないでしょうか。そんなことを思わせてくれる映画でした。  つらつら堅苦しく感想を書いてしまいましたが、何を言いたいかというと! あんまりこの映画興味ないなぁと思った方にこそ! ぜひ映画館で観ていただきたいです! ●『殺し屋のプロット』 配給/キノフィルムズ kino cinéma新宿ほか全国公開中 © 2023 HIDDEN HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED. 【他の記事を読む】⇒「松本穂香の銀幕ロンリーガール」の一覧はこちら <文/松本穂香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
松本穂香
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年、月9ドラマ『嘘解きレトリック』でW主演。2026年1月期ドラマ『50分間の恋人』では伊野尾慧とともにW主演を務める
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