「あなたはまだ覚醒していないだけ」運命の相手と思い込んだ女性から夫がストーカー被害に。背後でけしかけた意外な人物とは
「お客様との距離を適切に保つのは接客業の基本ですから、常に気をつけていたポイントで、私の目からは夫に隙はなかったと思います。でもこうも情熱的に暴走されると、『期待させるようなことしたんじゃないのー?』みたいな、ゲスい勘ぐりも発生して……。
ネットへの書き込みもありましたし、そのうち子どもたちの耳にも入るんじゃないかと、夫婦で心労が積もっていきました」
何か対策はないかとInstagramやFacebookでヒナさんのアカウントを観察していると、ヒナさんはスピリチュアルセッションでツインレイを知った経緯がわかった。
定期的にヒーラーのセッションを受け、何かあるたびに、アドバイスをもらっている様子だった。そこで、亜紀さんの夫に片思いをしていたことから、「彼はあなたのツインレイなのでは」とけしかけられたようだ。
しかし暴走のスイッチが判明しても、何の解決にもならない。
「次第に夫へのボディタッチも増え、帰宅中待ち伏せされたこともありました。夫がどんな拒絶の言葉を伝えても、そのときが来ればわかる、と暖簾に腕押しです」
恋愛モードになると暴走するタイプの人は一定数いるが、後ろにけしかける人物(=スピリチュアルヒーラー)がいるのがやっかいである。
「客商売のツラさですね。店に出ないわけにはいかないし、あからさまに邪険にもできない。ストーカーのような行為もあったので警察にも相談しましたが、決定的な被害がないとむずかしいんですよね。
意味のわからないトークを延々とするので、ほかの常連女性も、同席は遠慮したいと遠ざかってしまいました。お客様との距離が近い接客業では起こりうるリスクなのでしょうけど、困り果てました」
亜紀さんのケースだけでなく、「ツインレイ」周辺には、トラブルが多い。アイドルにガチ恋して、ツインレイという概念によって妄想が深まってしまうケースも耳にする。
もちろん、ツインレイを信じるすべての人がそうだとは言わないが、巷には「ツインレイ詐偽」「ツインレイ商法」なるものまであるという。
恋愛成就をエサに希望をもたされ、占い師などにお金をつぎ込む単純な商法である。ロマンス詐欺に、近い感じもある。
海外ではそれが大規模なオンラインサロンになっているケースもあり、その実態を追ったAmazonオリジナルの海外ドキュメンタリー『ソウルメイトを求めて~SNSに潜むカルト~』(Netflixでは、『ツインフレームを逃れて』として配信されている)という作品もある。
コロナ禍の孤独感を商機とし、純粋に運命のパートナーを求めて入会したであろう人たちを、会員同士で「あの人がツインフレーム」とけしかけ強引にマッチングさせる。そこには、マインドコントロールや不安商法といったしくみも介在している。

警察にストーカー行為を相談

世界ではカルト的な集団も

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