女性のあまりの迫力に静まり返った車内。赤ちゃんもびっくりしたのか、ぴたりと泣き止んでしまいました。佐紀さんは、その女性の迫力よりも彼女が自分の名前を知っていたことに驚いたといいます。

女性にお礼を言い「なぜ私の名前を…?」と恐る恐る尋ねた佐紀さん。
するとその女性は「
佐紀さんお久しぶりです! 高校以来ですね!」と、さっきの低めの声とは打って変わって明るい声で返します。
よく見ると、なんとその女性は佐紀さんが高校のヤンキー時代にかわいがっていた後輩の真弓だったのです。佐紀さんに気づき、声をかけようと思っていた矢先の出来事だったといいます。
「えー! 分からなかったよー。だってそんな格好してるんだもん」
驚きを隠せなかった佐紀さん。こんなことがあるのかと、本当にびっくりしたそうです。
実は佐紀さん、結婚して今は普通の主婦で、いいお母さんしていますが、高校時代はかなりのやんちゃで地元でも有名なヤンキーだったそう。
後輩は「先輩が本気でキレたらヤバイと思って、私が怒っときました!」とバスの中で豪快に笑ったといいます。
佐紀さんは久々の再会とピンチを救ってくれたお礼に、後日自宅に招いて後輩にご馳走したそう。高校時代の思い出話や、後輩の近況などで盛り上がり、とても楽しいひと時だったといいます。
「まぁ、周りの乗客の方には完全に元ヤンがばれましたけどね」と恥ずかしそうに話してくれた佐紀さんでした。
<文/大杉沙樹 イラスト/やましたともこ>
大杉沙樹
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。