「ポテトチップスです。なんやら、オーガニックだとか、食塩が使われてないとか、オリーブオイルでしか揚げてないとか。高級なスーパーで、ちっちゃいサイズのくせに、値段だけギョッとするくらい高いお菓子あるじゃないですか。そんな感じです。
『うちではお菓子はこれしか食べないから』って」

バックからはさらに、
お手拭き用の個包装されたウェットティッシュや、アルコールスプレーなども、続々出てくる出てくる。
「しかも、『ママに持たされた』と『お友達の分も』と、娘の分も合わせて全部二人分。
綺麗好き、気配り上手というレベルを超越して、こだわりの塊(かたまり)の潔癖症なんじゃないか?! って思ってしまいました」
そして飲み物も、高そうなこだわり農家のリンゴジュースを二人分用意されていたそう。洗い物を増やさない配慮か、子どもサイズの紙パックだったとか。徹底した気配りですね……。
その日はずっと、徹底した娘の友達のママの配慮に終始圧巻されっぱなしだった小松さん。問題なのは、“その後”です。
「今度はうちの娘が、そのお友達のおうちに遊びに行くって。
いやいや、ちょっと待ってよ、と。
玄関の靴袋持参から、高級オーガニックのお菓子持参、ジュースも? ウェットティッシュやアルコールスプレーまで、常に何人分も子どもに持ち歩かせるママの家におじゃまするときに、もうなにを持っていけばいいの?! って、パニック状態ですよ」

とりあえず、靴を入れるビニール袋は持たせることに。しかし、お菓子やジュースは同じようなものが見つかりませんでした。
「そこまで気にしないでいいのかもしれないけど、高そうでマニアックなお菓子を子どもに持参させる時点で、食へのこだわりが相当すごそうじゃないですか。しかもきちんと、二人分。
へんなものを持たせて、娘の印象を悪くしたくないという気持ちもありました。スーパーを3軒はしごしたけれど見つからず、もう本当に焦ってしまって……」