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フランス女性の「ジム通いはNG」の優雅なワケは?“食べてスリムを保つ”秘密

食事は自分と向き合う時間

食材

画像はイメージ

アメリカ人はなぜ躍起になってジム通いをするのか、なぜがむしゃらに走るのか。こんな風にアメリカの魅力を皮肉たっぷりに指摘するのも、フランス人だからいいか、と苦笑しつつ許せてしまいます。それはフランス人がいかに日常に心を配るかを、本書が伝えているから。 ジムやジョギングで時間を費やすくらいなら、美しい街並みを散策する、市場まで買い物に出かける、自分のためにていねいな食事をつくることを、本書は提案しています。 そんな優雅な生活はしていられない!と嘆く日本人の多いこと(私もです)。でもとりあえず「本物の朝食を味わう」ということからはじめてみませんか?パンにハムとチーズ、あればレタスやトマトなどの野菜を挟み、自分のためだけにセッティングして、きちんと座ってゆっくりと味わう。気づけばスッと背筋が伸びて、スマホではなく外の景色を眺めている自分に驚くはずです。 加えて「1日あたり少なくとも2杯余分に水を飲み、機会を見つけてはさらに水を飲む」のを意識すれば、あなたにもフランス人のオーラが芽生えるかも。自分と向き合う時間を増やしていけば、心に呼応して体も変化してくるのです。

本物をチョイスしよう

本書を読み、ひとつ困った問題が起きました。無性にチョコレートが食べたくなるのです。フランス人とチョコレートは切っても切れない間柄のようで、実際「チョコレート中毒のフランス人」と記されていますし、「平均して年に5.5キロくらい」食べるといいます。 チョコレートとカカオもちろん本書が薦めるのは「高品質のチョコレート」。日本でもかなり流通している高カカオのチョコレートです。「ダークチョコレートもしくはビタースイートかエクストラ・ビタースイート」で混じりけのない本物。間違っても「質の悪い脂肪をたっぷり含んだ劣った製品」に手を出してはいけません。 「多くのアメリカ人が一生の間に一度も本物のチョコレートを味わうことがなくなった」と、ちょいちょいまたアメリカの魅力を逆手に取るのもご愛敬。昨今は伝統的な技法を守る職人的なチョコレート店がアメリカにもできていて、著者もホッとしているのだとか。 偉大なる美食家ブリア・サヴァランに「チョコレートは健康である」と言わしめた高級かつ本物のチョコレート。科学的にも健康効果は証明されているのです。休憩時や食後のデザートにはぜひ、とっておきのチョコレートをうやうやしくご自身にサーブしてください。カカオポリフェノールが美と健康と、ストレス解消を約束してくれるでしょう。 本書を読むと、太るとかやせるとかの問題ではなく、どう生きるのか、どうやって生きるのを実感するのか、自分と対話したくなります。自分を最上級に扱って、「“C’est la vie”(セラヴィ)!」と(ひとりで)叫びたくなるのです。 <文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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