●使ったコスメ:
YVES SAINT LAURENT BEAUTY(イヴ・サンローラン・ボーテ)「ラディアント タッチ」

口まわり、ほうれい線の内側にハイライターを
山下:もうひと手間やってもらいたいのがハイライターです。
――ハイライターとは?
山下:白に近い肌色で、コンシーラーのツヤがあるバージョンみたいな感じ。光でふわっと見せる効果があります。目の下の頬骨の1番高いところと唇の山のところに塗って、指の腹を使ってポンポンとなじませます。
年齢とともに人中(鼻の下)が長くなるけど、唇の山をハイライターでふっくら見せることで人中を短く見せる効果があります。あとは、ほうれい線よりも内側に入れると、ほうれい線が目立たなくなるんですよ。
――ほうれい線に塗るのではなく、内側に塗るんですか?
山下:そう。内側を明るくしてあげることで、ほうれい線の下にできる影を光で飛ばすことができます。だからほうれい線の溝を埋めるんじゃなくて、下側を明るくするんです。
さらに、口角をあげるイメージで唇の端をくの字で囲うように入れて指の腹でなじませてください。唇の輪郭がはっきりします。
――ほうれい線の溝が薄くなった気がする!
山下:光でふわっと見えますよね。
●使ったコスメ:
DECORTÉ(コスメデコルテ)「ルース パウダー」

パウダーをさっと
山下:次にパウダーをつけていきます。基本的にファンデーションなど油分のあるものを肌にのせると崩れてくるので、それを防ぐため。さらさらにすることで、汚れがつかないようにする意味もあります。パウダーを塗りすぎると乾燥するので大きなブラシでさっと塗るのがいいです。
フェイスラインに油分のつやがあると不潔に見えてしまうため、最初に塗るのはフェイスライン。パウダーをブラシに取ったら手の甲でなじませて、フェイスラインはしっかり塗ります。それから鼻、眉毛、と塗ってください。
目元は目をつむり、指の腹でまぶたをなぞってからブラシで軽くパウダーをのせる。おでこやほほのあたりはブラシに残っていたパウダーでさっとなでるぐらいで大丈夫です。

ベースメイク完成
●使ったコスメ:
NARS(ナーズ)「ラディアントクリーミーコンシーラー」
山下:パウダーで押さえたら、最後にシミを消していきます。
――シミを消すのはパウダーをしてから?
山下:そうです。油が乗ってるところにコンシーラーを乗せても、よれてしまうから。シミの上にコンシーラーをのせたら、シミの上は触らずに境目がわからなくなるように指でトントンとなじませて、指先にパウダーをつけて押さえます。
シミやニキビのカバーには、ベージュ系のハイカバータイプのコンシーラーを使います。テクスチャーの違いよりも、メーカーによってコンシーラーのカバー力は違うんですよ。私はNARS(ナーズ)のものを使っています。
――シミがどこにあったのかわからなくなった!
山下:これでベースメイクは完了です。肌にパンとハリが出ましたね。すごく綺麗。beforeと比べたら口元の上がり方も全然違う!

すっぴん→ベースメイクのみ
――ナチュラルだけど、なんだか顔が元気になってる! 若くなった感じ。ベースメイク大事!
山下:そう! だからこそ大人は、ベースメイクに時間もお金もかけていいと思います。
(次回は眉毛の描き方を教えてもらいます)

山下智子さん(左)、筆者(右)
◎山下智子さん
1979年東京生まれ。ヘアメイクアップアーティスト。女性誌、カタログ、広告、テレビなどで幅広く活躍中。田中みな実さん、宇垣美里さんなど女優やモデルからの支持も厚い。約10年前から個人向けのヘアメイクレッスンを続けており、2023年10月にパーソナルレッスンを行う
「m.mood(ムード)」をオープン
Instagram:
@tomokoyamashita_hairmake
<文・モデル/大日方理子 撮影/林 紘輝(扶桑社)>
大日方理子
(おびなた・りこ)スタイリスト。1979年生まれ、お茶の水女子大学卒。『Ray』などの女性誌やテレビでスタイリストを務める。きれいめからカジュアルまで、今の気分を取り入れたスタイリングが得意。骨格診断アドバイザー。猫背改善で身長149cm→151cmに。中学生の女の子がいる1児の母でもある。
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