カット野菜ってアリ?「キャベツ1玉500円超え」「野菜高騰」を賢く乗り切るには
野菜高騰の対策は?
食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。
キャベツが1玉500円を超える状況が続いています。先日、都内スーパーの安売りでも378円。うーん、高い! 原因は天候不順や気候変動によるものと言われていますが、今後も同様なことがいつ起こってもおかしくはありません。
さらに冷静に見ていくと光熱費や運搬費の上昇などにより食料品は全方位的に値上げとなり、2024年1~8月のエンゲル係数(家族の総支出のうち食物のための支出が占める割合)は28%(2人以上の世帯)まで上昇しています。これは由々しき事態です……。
話を野菜に戻しましょう。価格高騰はしているものの、現代人の野菜不足は深刻です。少しでも出費を抑えながら野菜を賢く購入できないものでしょうか? そこで今回はそんな願いに応えたいという思いで、最近のスーパーマーケットを見渡して思いつきました。
それは、野菜を購入するときに、どんなものを買えばコスパが良いのでしょうか? カット野菜や冷凍野菜は? 最近よく見かけるミールキット(食材とレシピがセットになった調理キット)はお得なの? そんなみなさんが気になっている便利野菜商品のメリットや心配事を、わかりやすく整理していこうと思います。
少しでもヒントを発見してもらえたらうれしく思います。
まずは年々売り場を拡大している「カット野菜」について見ていくことにしましょう。
まず価格面から見ていくと、2~3人用のミックスサラダが200円前後、野菜炒め用が150円前後で販売されています。これらをすべて自分でそろえて、切り分けることを考えると、明らかにコスパに優れていることがわかります。
さらに最近では鍋用、しゃぶしゃぶ用、煮物用、カレー用、豚汁用など、用途に応じたカットや下処理がされているため、洗う・切るなどの工程がなく、誰でもすぐに使えるという利便性も向上しています。つまりコスパとタイパの側面から考えれば、優秀であることは間違いありません。
おいしさの観点で考えてみれば、そのままの野菜だから必ずしもおいしいと言い切れないように、カット野菜にもいろいろな商品があると考えるのが公平でしょう。例えば国産にこだわる、有機野菜を使用するなど、選択肢も広がっていますから、いくつか食べてみて、価格と味で自分が気に入るものを探せばよいと思います。
そしてもう一つは、消毒剤や農薬が心配というイメージを抱いている方に対する回答を整理しておきたいと思います。大手メーカーの企業サイトには、それらの不安に対する回答が丁寧に公開されています。
まずは野菜の洗浄・殺菌処理について。野菜には食中毒菌が付着している可能性があるため、多くは殺菌処理が行われます。その場合、厚労省の規定に基づいた方法(水道水の消毒に用いられる次亜塩素酸ナトリウムを使用)で殺菌され、飲用水で十分にすすぎ洗いされたものがパック詰めされています。
保存料などの添加物は使用されていません(水煮コーンを除く)。野菜の切り口の変色を防ぐために、空気の代わりに窒素が充填され、低温での管理が徹底されています。
残留農薬の心配については、メーカーが法律で決められた正しい用法・用量を使用した契約生産者と契約する、自社で残留農薬検査を実施するなどの情報を公開していることが一つの判断材料になるでしょう。闇雲に心配するのではなく、まずは調べてみることが賢明です。