
「私たち夫婦はなかなか子どもに恵まれず、不妊治療で病院に通うようになりました。治療を始めてからメンタルも落ち込み気味だった時期に、義姉が4人目を妊娠したんです。
私がその時思ったのは『またお金がかかるなぁ……』ということ。本来おめでたいことなのに、気持ち的に素直に喜べない自分が嫌な人間に感じることもありました。
夫の協力のもと、私は不妊治療のために仕事を辞めることになり、治療費もかかるため節約しながら妊活していたので、金銭的な負担が次第にストレスになっていたんです」
自身は子どもが居ないことに対し、4人分のお祝いをすることがだんだんと負担になっていったという美里さん。『可愛い甥のお祝いをしてあげたい気持ちは私も一緒なので、ケチだと言われることに納得がいかない』と話してくれました。
「毎回盛大にお祝いしてあげたいという夫の気持ちは本当に優しいと思います。しかし、自分たちの生活もあるので、『正直そこまでしてあげなくても……』と思ってしまうんです」
美里さんは未だに不妊治療は続けており、『この先子どもを持てるかどうか分からない』と漏らしていました。最近では、義理の家族との距離を置きたいとすら考えるようになったといいます。
兄弟間で子どもの人数が違う場合の“お祝い”の正解は、いったいどこにあるのでしょうか……。
<取材・文/鈴木風香>
鈴木風香
フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。Instagram:
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