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NHK「のど自慢」で大物歌手も驚いた13歳→22歳に成長した現在の“色っぽさ”とポテンシャルが圧倒的

SNS世代としてのアピール

「純情ホトトギス/紀伊国音頭」(日本クラウン)

「純情ホトトギス/紀伊国音頭」(日本クラウン)

「偽りのくちびる」には、歌詞を女性目線に置き換えたアンサーソング「偽りのくちびる~最後の恋~」まで用意され、色気と連動する演出に余念がない。あるいは、SNS世代の歌い手として、TikTok上でのアピールも忘れない。  4thシングル「純情ホトトギス」は、つんく♂が作詩・作曲を手掛け、ゆったりしたフレージングはキープしつつ、リズミカルなバックトラックにコミットしていく。演歌ファンだけでなくポップスリスナーでも楽しめる仕掛けになっている間口の広さをフル活用するかのように、TikTokアカウントでは、原田本人が振りを披露して、ちょっとしたダンス動画として印象付けた。  見逃せなかったのは、ダンスチャレンジ動画を念頭に置いたと想像できるその画角。原田が、ローアングルぎみのフレームにおさまるとき、彼の表情が醸す色気の最大値が計測できた。
原田波人「火の鳥/琴の滝(タイプA)」(日本クラウン)

原田波人「火の鳥/琴の滝(タイプA)」(日本クラウン)

 するとどうだろう、最新曲「火の鳥」のジャケ写のひとつ、1本のバラの花を手にして佇み、写る魅力的な1枚もローアングル。デビューからひと回り、ふた回りも成長した色っぽさを抽出しているかに見える。

デビュー前からポテンシャルが圧倒的

 デビューから戦略的な成長率を考えると、愛すべきコピー「純度120%の歌声」が、何とも心憎い。これは俄然、「成長率120%」とも換言できるのだが、それが実現できたのもデビュー前からポテンシャルが圧倒的だったからだ。  デビュー前の原田を知るためには、2016年までさかのぼる必要がある。同年6月、若干13歳、中学2年生だった原田は、「NHKのど自慢」和歌山大会に出場した。選曲は長山洋子が1993年にリリースした「蜩」。ゲストで来ていた長山も目を丸くする歌声を披露して、堂々満点の鐘を打ち鳴らす。  デビュー前のレファレンスとして和歌山大会チャンピオンを記憶している人は多いだろうが、さらにNHKホールで行われたグランドチャンピオン大会出場を経た才能を放っておくはずがない。再三繰り返してきた「純度120%の歌声」は、デビューから現在までに「演歌の花道」(1997年公開のつんく♂主演映画タイトルでもある)をひた走っている。  2024年にはカバーアルバム『波人covers~時代と女歌~』をリリース。「偽りの唇~最後の恋~」でも試みた女性目線に磨きをかけている。中でも中森明菜の3rdシングル「セカンド・ラブ」(1983年リリース)では、歌い出しフレーズ「恋も二度目なら 少しは上手に…」を口にして、「火の鳥」でそつなくラブソングを歌い込むというケレン味にまで到達している。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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