ただ、歌唱力を生かしたミュージカルなど舞台で主演を張り一歩ずつ歩みを進め、30代に入り『レンタルなんもしない人』でテレビ東京系連続ドラマ初出演にして初主演を飾ることに。
「何もしない人」として周囲を救う主人公を演じるにあたり、アイドルとしてのキラキラ感は捨てつつも、彼が持つ穏やかさや人間味が役に説得力をもたらしていました。

Blu-ray BOX『レンタルなんもしない人』(TCエンタテインメント)
その後、日曜劇場『オールドルーキー』(TBS系)では本人のイメージにない自分本位でトゲのある会社員を、『ギフテッド』(東海テレビ・フジテレビ系)では天才ながらクセのある主人公を愛嬌交えて好演します。決してアイドルとしての華々しさには比例しませんが、深夜帯主演やGP帯の脇役・ゲスト出演を通じて地道にキャリアを積み重ねてきました。
そしてついに巡ってきたのが、『踊る大捜査線』最新作での真下勇気役です。40歳にして映画初出演ながら、超大作の人気登場人物の息子であり、極めて重要なポジションで主人公・青島俊作(織田裕二さん)に関わる大役を任されたのです。
これまで実直に積み上げてきた役者のキャリアと、バラエティで獲得してきた親しみやすさ、笑いのセンス、そして著しく高い好感度すべてが勇気を演じる糧になっていたのでしょう。
40歳で挑む21歳役ですが、増田さん自身、ストイックに美容管理し肉体美を保ってきただけに、違和感はほぼありません。SNSでは「21歳の若僧の演技ができる増田貴久なのよ」「時空歪みすぎててビビる」「童顔レベルが尋常じゃない」などの声が並ぶことに。
むしろ年齢うんぬんより、増田さんが持つキャラクターでなければ勇気役は成り立たないという制作陣の思いまで感じられます。
甘く伸びやかな歌唱、筋肉質な肉体に運動神経の良さ、歳を感じさせない可愛らしいビジュアル。増田さんの強みは沢山ありますが、NEWSの窮地を救い続け、俳優としても転機を迎えられたのは、彼の誠実で揺るがない人間力があったからではないでしょうか。
<文/こじらぶ>
こじらぶ
ライター・コラムニスト。上智大学大学院外国語学研究科修了・言語学修士。ドラマ、男性&女性アイドル、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X:
@kojirabu0419