―40歳までにオシャレになりたい!Neo トミヤマユキコ―
ファッションに興味はある。服を選ぶのは嫌いじゃない。ダサいわけでもない。でも、ガチで女らしい格好はちょっと恥ずかしいし、シンプルシックな格好はどうにもつまらない。
そこで、ついつい変な服を選んでは、オシャレ/非オシャレの圏外に飛び出し、いい大人なのに「オシャレっていうか、なんかおもしろい服を着ている人」状態に……そんな悩みを抱えた読者は少なくないはず!
おもしろ最優先で生きてきた結果、人生も洋服も若干とっ散らかり気味な著者が、40歳までにオシャレになるべく奮闘するコラム連載第4回!
第4回「秋服わかんない問題」を3つのポイントで乗り越える!
断言するが、一年のうちで、
秋服がもっとも意味不明である。
冬はセーターを着れば自動的に冬っぽくなるし、夏はノースリーブを着れば自動的に夏っぽくなる。とても簡単だ。しかし、秋は暑いのか寒いのかはっきりしない上に、
己の創意工夫で「秋っぽく」しないとダメ。ファッション的にはたいへんワガママな季節である。
だったら春だって暑いか寒いかはっきりしないし、己の力で「春っぽく」する必要があるのでは? と言われそうだが、春先の街を思い出してみて欲しい。コートを脱いでいるというただそれだけのことで、なんとなく春めいて見えるものだ。さらにウールのものを身につけなければ、ほとんど完璧と言っていい。つまりことさらに春っぽくしなくても、どうにかなるのである。
春、夏、冬は優しい。そして残された秋だけが、高い壁となって、わたしの前に立ちはだかっている。はっきり言って、秋服に関しては、イケてる/イケてない以前のレベルをウロウロしているわたしだ。上手に秋服を着こなしている人を見るたび、コンプレックスを刺激され「うう! とてもじゃないがかなわない!」と思うし、走ってその場を逃げ出したくなる。
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こちらの記事は、トミヤマユキコさんの書籍『40歳までにオシャレになりたい!』に収録されました。

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【トミヤマ・ユキコ】

ライター・大学講師。大のパンケーキ好きが高じて著したガイド本『パンケーキ・ノート』(リトルモア刊)が話題に。大学では少女マンガ・サブカルチャーについての講義を担当している。そのほか「週刊朝日」、「文學界」、「ESSE」などで書評・コラムを連載中。ファッションに対して積もり積もったコンプレックスあり。
Twitter
@tomicatomica
タイトルイラスト/澁谷玲子
トミヤマ・ユキコ
ライター・大学講師。大のパンケーキ好きが高じて著したガイド本『パンケーキ・ノート』(リトルモア刊)が話題に。大学では少女マンガ・サブカルチャーについての講義を担当している。そのほか「週刊朝日」、「文學界」、「ESSE」などで書評・コラムを連載中。ファッションに対して積もり積もったコンプレックスあり。
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