●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」06 by小林直子●
Q.服の捨て方がわかりまねせん。コツはありますか?
服を減らしたいのですが何を捨てたらいいかわかりません。何を捨てればいいですか? また何を残せばいいですか?
回答:小林直子(ファッション・ブロガー)
基本的に捨てるのは、その服が
物としての寿命を終えたときにしましょう。つまり、破れた、ボタンやバックル、ファスナーが破損した、色があせた、生地が摩耗したなどのときです。
次に考えるのはその服がどうにも着られないときです。太ってしまってサイズが合わない、着にくい、着ているとかゆくなるなど、身体的な理由によるものです。
次は心理的な問題。その服を着ると気分が悪くなる、その服を着ていたときに振られた、試験に落ちたなど、嫌な出来事を思い出したり、
着ることによって気分がよくならない服は捨ててもいいでしょう。

次に、他人に与える印象という意味から考えましょう。
いくらたくさん服を持っていようとも、身体は1つ、1年間は365日、1日は24時間です。着たくても、その服を着る機会は限られます。実際は持っているだけで、着ない服も多いでしょう。
他人にいつも同じ服を着ていると思われたくないからという理由でたくさん持っている人も多いと思います。では、他人はあなたのことをどう見ているでしょうか。
1アイテム7枚以下で買い替えるほうがおしゃれになる
理由はわかりませんが、人はなぜか週末で記憶をリセットするという法則があります。どういうことかというと、月曜日と金曜日に同じ服を着ていると、また同じ服を着ていると感じたりするものなのですが、金曜日に着て、土日を置いて次の週の火曜日に同じものを着ても、同じものを着ていると感じません。
これは土日が休みではない人も同じです。
なぜか土日を経ると、記憶がリセットされるようです。
そうだとすると、人が覚えていられる1週間分、毎日違った服を着ていさえすれば、他人にいつも同じだと思われないということになります。1週間、つまり7日です。ですから、
1アイテムについて7枚も持っていれば十分で、8枚目からは過剰です。春夏、秋冬それぞれで、ブラウス8枚目から、Tシャツ8枚目から、スカート8枚目からは過剰分になります。

多く保持していると、それだけ着用回数は少なくなり、ますますものとしては傷みません。傷まない、捨てられない、また買うというループに陥って、どうにもならなくなっているというのが多くの方の現状でしょう。
少なく保持して、傷んだら新しいものに買えるほうが、適度にワードローブが新陳代謝され、結果的に流行も取り入れることになり、よりおしゃれに見えます。たくさん持っているからといっておしゃれに見えるというわけではありません。