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ぎっくり腰、紙おむつ、遺産…「やすらぎの郷」のやすらげない日々が面白い

芸能ライター・スナイパー小林の今からでも観るべき春ドラマ Vol.7】  6回にわたって今から見ても楽しい春ドラマ評を掲載してきましたが、今回は少し趣向を変えた1作をピックアップ。  それは、テレビ朝日の新しい試みである昼ドラ「やすらぎの郷」です。実は平均視聴率が8%を超えていて、ゴールデンのドラマよりも面白いと噂です。会社員のみなさま、録画してでも観る価値アリですよ。 ●やすらぎの郷 月曜~金曜12時30放送/テレビ朝日系列/出演:石坂浩二、浅丘ルリ子、加賀まりこ、野際陽子
「やすらぎの郷」公式サイトより

「やすらぎの郷」公式サイトより http://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginosato/

豪華老人ホームで起きる、すったもんだ

 エンタメ業界の関係者のみが入居することのできる「やすらぎの郷 La Strada(ラ・ストラーダ)」。ここは海が見える東京ドーム30個ぶんの敷地に建つ、高級な老人ホームだ。  脚本を手がけた倉本聰が自分を模したのではないかと言われている、元シナリオライターの菊村栄役に石坂浩二。彼を中心に日々巻き起こる出来事を描く。  出演者が驚くほど豪華な顔ぶれだ。浅丘ルリ子、加賀まりこ、野際陽子、八千草薫、五月みどりと往年の大スターたちが集結している。  心筋梗塞、加齢臭、ぎっくり腰、紙おむつ、遺産……とゴールデンでは考えられないワードが飛び交い、世の風潮をまるで無視した喫煙シーンも登場する。現在、82歳と高齢の倉本が書くだけあって「お笑い番組ばっかり!」と、今のテレビ業界への辛口批判が随所に。さらに「昔、実はつきあっていたのよ」と色恋沙汰も飛び出してくるのだから面白くないわけがない。  ああ、こうやって老人が集まるとバーリトゥード的に日々いろんなことが巻き起こるのか、と見ていて笑いが止まらない。そう、タイトルとは裏腹にまったく安らぐことのできない人間模様がたまらないのだ。  昨年、アラフィフをテーマにした「ノンママ白書(フジテレビ系列・2016年)」の放送時に「ひょっとしたらこのままいくと老人ホームを題材にしたドラマが始まるのでは」と書かせてもらった。それがまさか昼ドラという大型ドラマで実現するとは! こういうストーリー展開がまったく読めない作品がもっと増えるといいのにな。 <TEXT/スナイパー小林> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
スナイパー小林
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k
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