宅配便業者の男(石田卓也)を殺したと自首してきた白河民子(三田佳子)を取調べるが、1時間後にはその自供が覆(くつが)える。記憶が曖昧だったと、自分の言ったことすら忘れたようなそぶりを見せる老人の白河民子でしたが……。

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若くして夫を亡くした白河民子は孤独に暮らしていました。配達員の小牧(石田)と会話をし優しくされ、息子のように思っていたのかもしれませんという見解でした。
その小牧が同じマンションの主婦と不倫している現場を目撃してしまったことで、白河民子の感情は殺意に変わってしまいます。「息子だと思っていたのに裏切られたからよ」と犯行動機を語る彼女でしたが、恐らく女性として彼に恋していたんでしょう。自分で自分宛に宅急便を毎日送っていたのは彼に会うためでした。
白河民子は、犯行は認めますが、どこかでその「女」としてのプライドや見栄があり、供述の中では恋心は認めていませんでした。が、真壁が取調中も「お婆ちゃん…」と優しく呼びかけたことを心底不愉快に感じて怒りを露わにします。
最後に出頭してきた際、白河民子は綺麗な身なりで化粧もして現れます。やはり、女としての犯行だったかと私は解釈してしまいました。
ここは意見が分かれるところかもしれませんが、歳を重ねていつまでたっても「女」として生きていくのを捨てられないのってしんどいですね。自分が、いかに女として気を遣い振る舞っていても、世間とのギャップが必ずしも折り合いがつきません。
この回は、そういった、歳を取ることを受け入れているのに、一方で女の業も捨てられない孤独な老人の苦しさが見ていて怖くなりました。
さて、今週はまた女性の容疑者が3人も現れて、女の闘いが見られるようです。内に秘めた女性の業の深さを真壁がどうやって暴いていくのかこれまた見どころです。
<TEXT/タケダマコ>